第95回日本医療機器学会大会

講演情報

シンポジウム

シンポジウム3 歯科診療域における再生処理の現状と今後の展望

座長:髙戸 毅(JR東京総合病院),伏見 了(ワタキューセイモア株式会社)

[シンポジウム3] 口腔外科手術の実際と使用器具/器材

髙橋 美穂 (東海大学医学部付属八王子病院 口腔外科)

2017年に厚生労働省は,全国の医療機関の半数近くが歯を削る医療機器を患者ごとに交換せずに使い回している可能性があると報告し,歯科医院における衛生管理について問題が取り上げられることが増えた.この問題点としては,血液や唾液などが付着した医療器具を介してHIV(ヒト免疫不全ウイルス)や肝炎ウィルスなどの感染の可能性があげられる.
 口腔外科の手術は顎・顔面領域の腫瘍,炎症,外傷,奇形などに対しておこなわれる.手術時に使用する器具,機材は手術内容により多岐にわたる.手術時に切削器具を使用すると患者の血液や唾液は飛散する.環境表面を介した接触感染を防ぐためには,環境中の汚染度の分布を把握する必要と清掃の効果に関する知見が求められる.
 本講演では手術に使用する器具,器材について,また手術の際にどのように環境汚染が生じるのかATP測定法を使用し調査した結果をお話しする.医療に従事される皆様の今後に少しでも役立つことがあれば幸いである.