第95回日本医療機器学会大会

Presentation information

Oral presentation

滅菌

滅菌2

[T67] 医療現場の滅菌包装,リアルタイム制御で楽々シール管理

川嶋 將則, 高岡 聖治, 大西 徳貞, 井上 哲也 (シール栄登㈱製造部)

【背景】
滅菌バッグは,ヒートシールの手軽さから有用性の高い包装材料として医療分野で多用されている.
医療機器メーカにおいては,滅菌・包装のバリデーションは必須であり,ヒートシール機器と合わせて厳格な管理が要求され実行されている.しかし,医療施設でのそれは・・・.ガイドラインに「滅菌包装のバリデーション」の項はあるが,関心が薄いのが実情である.
バリデーション機能を高めたシール機器の開発と医療機器メーカへの供給実績.また欧州のシーラー専門メーカとの提携から得た情報・技術の蓄積.この観点からの改善への取り組み,当社のソリューションについて紹介する.
【当社のソリューション】
包装シールの関連規格としてISO11607,EN868 などがあり,滅菌バッグのシール強度は1.5N等の最低ラインが設定されている.しかし,これは滅菌包装を保証するものではない.特に大きな器材をも滅菌バッグ包装することを好む日本においては要注意の数値である.
滅菌バッグのシール性とピール性の両立のためには,シール温度・圧力(荷重)・時間の3つのパラメータを継続管理することが重要である.しかし,そのようなデータログ機能を搭載するシール機は実用に届いていないのが現実のようだ.
当社開発のデータログ機能を搭載したシール機は,データに連動させ,条件に満たない場合やエラーが出た場合に,その場で作業をストップしてシール不良を防止することが可能となる.
また,保管されたデータをPCに取り込むことにより,作業の簡略化,時短化,人為的ミスの削減など,結果的にコストダウンしながらNG製品を減少させることができ,また後工程の滅菌処理時に破袋等の事故の未然防止も可能となる.
多忙な医療現場にこそ,このようなリアルタイムのシール管理が必要ではないだろうか.