大会長挨拶
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大会テーマ やってみなはれ まっさらなこと おもろいこと Having New and Excite!
第96回日本医療機器学会大会 大会長 高階 雅紀 大阪大学医学部附属病院 病院教授 |
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このたび、第96回日本医療機器学会大会の大会長を拝命いたしました大阪大学の高階雅紀です。伝統ある本学会の大会の開催を担当することとなり、選任していただきました諸兄姉に感謝申し上げます。自分なりの思いを込めて大会をデザインできることの高揚感と同時に、長年にわたりお世話になっております本学会の大会を運営する責任の重さからの緊張感に包まれております。
第96回大会は2021年5月27日(木)から29日(土)までの3日間、大阪国際会議場(グランキューブ)で開催予定です。ご承知のように現在わが国はもとより世界中が新型コロナウイルス禍に見舞われております。第96回大会では、学術講演、メディカルショーにおいても感染対策に十分配慮した上での現地開催をめざしておりますが、開催時期の状況によっては今年度同様のオンデマンド型のWEB開催の可能性もあります。できることならば、学会員の皆さまのご協力のもと、大阪の地においてリアルな懇親と知的好奇心を満たす場となることを期待しております。
さて、第96回大会のテーマ「Having New and Excite!」はもちろん造語です。とある出張の機会に「Having the New.」というフレーズと出会った時、関西で言うところの「やってみなはれ」を連想し、もし将来大会を担当する機会があればテーマはこれだと決めておりました。「やってみなはれ やらなわからしまへんで」はサントリーの創業者、鳥井信治郎の名言として大阪の産業界に脈々と受け継がれています。医療の分野だけでなく現在の世の中の風潮はエビデンスを重視し、極力ミスをなくすことが求められております。綿密な将来計画の基、研究や実験を遂行することはとても重要なことですが、あまりに行き過ぎると時代を切り開くような画期的な事業は日の目を見ないのではないでしょうか。エビデンスの確立していない「まっさらなこと」に挑戦する気概こそ、今日の日本社会に必要なことと思えてなりません。
また、関西の言葉で言うところの「おもろいこと」とは多くのニュアンスを含蓄した素敵な言葉です。皆さまが多忙な中、時間を割いて学会に参加する意義を感じるのは、学会には職場における日常とは異なった、知的好奇心をくすぐるような「おもろいこと」との出会いがあるからだと思います。ともすれば日常業務の慌ただしさの中でルーチン業務の本来の意義や価値を見失いがちな私たちは、学会という非日常において一歩立ち止まって思索にふけることが重要です。もちろん、同じ悩みや問題を抱えた日本国中の盟友とリアルに懇談ができることも「おもろいこと」です。そのような「おもろいこと」がちりばめられた大会を開催できるように尽力いたしたいと存じます。
そのためには、より多くの学会員の皆さまから演題のご応募をいただき、より多くの企業の皆さまのメディカルショーへご出展いただき、そして多くの皆さまが大阪での大会にご参加いただけますことが最も重要となってまいります。現在、プログラム委員会において各種講演、シンポジウム、パネルディスカッション、マネジメントセミナーなどの特別企画について議論しております。この中には講演者を公募するものもありますので、一般演題のみならず特別企画への登録もぜひご一考いただきますようよろしくお願いいたします。また、プログラム委員会では、新型コロナウイルス禍における学術講演とメディカルショーでの新しい試みについても議論が進んでおります。学術講演では多彩な学会参加者のニーズに対応するべく、現地開催とオンデマンド配信を組み合わせたハイブリッド型の開催を模索中であります。WEB参加のみの学会員の方にも一般演題ご発表の機会を設ける予定ですので、いろんな形での大会参加をお待ちしております。
最後になりますが、第96回大会では大会の付帯行事として「医療現場の滅菌保証のガイドライン2020」のお披露目とともに、滅菌技士認定事業20周年記念行事としての特別講演会を5月30日(日)に開催予定です。5年に一度の機会となりますので、滅菌技師/士の皆さまはもとより、関係企業の皆さま、これから技士資格の取得を目指す学会員の皆さま方とともに新しいガイドラインの読み解きをしながら情報交換と親睦を深める会となることを期待しております。
第96回日本医療機器学会大会
大会長 高階 雅紀
(大阪大学医学部附属病院 病院教授)
