第96回日本医療機器学会大会

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Oral presentation

医療機器管理

医療機器管理

座長:楠本 繁崇(大阪大学)

[31] 当院における除細動器・AEDの更新に伴う適正配置および運用の検討と結果

藤井 雄介1, 相木 一輝1, 小山 富生1, 野口 悟司2, 藤原 道隆2 (1.名古屋大学医学部附属病院 臨床工学技術部, 2.名古屋大学医学部附属病院 医療機器総合管理部)

【背景】
昨年度まで当院には除細動器59台,AED22台があり,複数のメーカが混在していた.
当院では2019年にJCI認証を取得したが,その準備中に,除細動器に関して院内の共通マニュアルが不十分な点や,各病棟で看護師がおこなう日常点検の精度が課題に挙がった.
そこで,院内質向上救命ワーキングと共に,除細動器の使用方法,管理方法の見直しをおこない,除細動器の代わりにAEDを配置する提案をおこなった.その後,使用頻度調査を経て,除細動器が必須とされない部署にはAEDの配置を推奨した.
2020年度機器更新で院内にある除細動器を41台に削減,AEDを36台増備した.また除細動器,AEDをすべて同一メーカに統一した.
【目的】
今回の更新による管理・運用の変更とコストを含めた効果について検討する.
【結果】
今回の更新は除細動器(日本光電社製:TEC-5631)とAED(日本光電社製:AED-3100)でおこなった.
導入したAEDに関してはAEDリモート監視システム(以下AEDLinkage®)によって一括管理・遠隔での日常点検が可能になり,使用可能状況の確認や物品の期限の把握が容易になった.またPCで治療イベントや波形を抽出できるため,AED使用前後の心電図を電子データで残すことができる利点がある.
購入価格に関して,除細動器は¥2,500,000/台とAEDは¥450,000/台で,保守の価格に関しても,除細動器は¥420,000/10年,AEDは¥72,000/10年となり多額の経費を削減できる.
またメーカを統一したことで,除細動器の共通の点検項目が増え,共通マニュアルの簡素化につながった.
しかし,AEDLinkage®が携帯電話のLTE回線を使用しているため,院内の電波が悪い個所では一部遠隔で確認できないといった点や,AEDは別途モニタがないと心電図波形が確認できず,その場での波形印刷が課題となった.
【考察】
今回の更新で業務量,導入コスト削減が認められ,今後の保守コスト削減も期待できる.今後とも他部署と連携して適正な機種配置を進めたい.