[37] 遠心力負荷後の細胞の挙動:マイクロパターンによる方向制御
遠心負荷履歴後の筋芽細胞の挙動を研究した.接線方向遠心力負荷の細胞に対する方向を制御するために,足場プレートの表面にマイクロ縞模様(高さ0.0007 mm,幅0.003 mm,間隔0.003 mm)をフォトリソグラフィー技術によって作成した.足場尾根の長手方向と遠心力方向との間の角度について3種類(0度,45度,および90度)の区画を用意した.実験にはC2C12(マウス筋芽細胞株)を使用した.接線力場を細胞に付加するために,マイクロ縞模様つき足場プレートを,インキュベーター内に配置された遠心分離機の遠沈管内にセットした.足場プレート上に細胞を播種し,遠沈管内で培養液に浸した状態で 静置培養後,5時間,遠心した.その後,静置状態で,足場上での細胞の挙動をタイムラプス顕微鏡画像で24時間追跡した.細胞は,遠心刺激中も増殖した.遠心刺激後は,細胞は,足場上のマイクロ縞模様上で変形・移動・分裂した.実験結果から,マイクロ縞模様の方向によって,細胞の移動の活性が異なる傾向が見られた.