[42] 機械学習による医用テレメータ送信信号と電磁ノイズ判別の基礎的検討
【緒言】
医用テレメータの安全使用には,チャネル管理や電子機器から発生する電磁ノイズの把握を含めた,電磁環境の評価が必要となる.評価には,一般にスペクトラムアナライザが用いられるが,多種多様な無線通信が介在し,さらに劣悪な環境においては,測定した電磁波が医用テレメータの送信信号なのか,電磁ノイズかを判定することは困難である.本研究では,機械学習を用いて医用テレメータの送信信号と電磁ノイズを判別する手法の基礎的検討を目的とした.
【方法】
医用テレメータ送信機を配置したTEMセルから抽出した信号,LED照明由来の電磁ノイズ,電磁ノイズが重畳した送信信号,背景雑音の時間波形を,スペクトラムアナライザにて測定した.すべての信号・電磁ノイズは,受信電圧のピーク値が一定となるよう測定した.測定周波数は420.325MHz,分解能帯域幅は10kHzとし,各条件50回の測定をおこなった.次に測定データを用いて,サポートベクトルマシン(SVM)による学習をおこない,テストデータから精度を判定した.
【結果】
学習に用いた4つの信号および電磁ノイズ波形は,機械学習により98.7%の精度で判別可能であった.
【考察および今後の課題】
本研究で用いた電磁波は,送信信号・電磁ノイズにて時間波形の変動に特徴が認められたため,SVMを用いることにより,高い精度で判別が可能となった.一方,今回はTEMセルから取り出した送信信号を用いたが,実際には送信機は患者が装着することで,移動や体動,また床や壁面からのマルチパスの影響を受け,信号強度が変動することが考えられる.加えて臨床現場では,複数の電磁ノイズが同時に存在する可能性や,他の無線通信機器の信号などによる影響も考えられる.これらの場合,時間波形の変動の特徴が異なる可能性も考えられる.今後の課題として,これらの影響を考慮した上での判別精度の検討が必要と結論付ける.
医用テレメータの安全使用には,チャネル管理や電子機器から発生する電磁ノイズの把握を含めた,電磁環境の評価が必要となる.評価には,一般にスペクトラムアナライザが用いられるが,多種多様な無線通信が介在し,さらに劣悪な環境においては,測定した電磁波が医用テレメータの送信信号なのか,電磁ノイズかを判定することは困難である.本研究では,機械学習を用いて医用テレメータの送信信号と電磁ノイズを判別する手法の基礎的検討を目的とした.
【方法】
医用テレメータ送信機を配置したTEMセルから抽出した信号,LED照明由来の電磁ノイズ,電磁ノイズが重畳した送信信号,背景雑音の時間波形を,スペクトラムアナライザにて測定した.すべての信号・電磁ノイズは,受信電圧のピーク値が一定となるよう測定した.測定周波数は420.325MHz,分解能帯域幅は10kHzとし,各条件50回の測定をおこなった.次に測定データを用いて,サポートベクトルマシン(SVM)による学習をおこない,テストデータから精度を判定した.
【結果】
学習に用いた4つの信号および電磁ノイズ波形は,機械学習により98.7%の精度で判別可能であった.
【考察および今後の課題】
本研究で用いた電磁波は,送信信号・電磁ノイズにて時間波形の変動に特徴が認められたため,SVMを用いることにより,高い精度で判別が可能となった.一方,今回はTEMセルから取り出した送信信号を用いたが,実際には送信機は患者が装着することで,移動や体動,また床や壁面からのマルチパスの影響を受け,信号強度が変動することが考えられる.加えて臨床現場では,複数の電磁ノイズが同時に存在する可能性や,他の無線通信機器の信号などによる影響も考えられる.これらの場合,時間波形の変動の特徴が異なる可能性も考えられる.今後の課題として,これらの影響を考慮した上での判別精度の検討が必要と結論付ける.