第96回日本医療機器学会大会

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Oral presentation

手術室/ICU

手術室/ICU

座長:髙橋 典彦(北海道大学)

[49] 業者貸出手術器械受け取り委譲に関する実践報告

~看護業務時間の確保に向けて~

齋藤 聖花1, 坂本 詩織1, 吉田 あや1, 大上 有子1, 竹森 加菜子2, 太田 智美3 (1.東北大学病院 手術部, 2.東北大学病院 手術部・材料部, 3.東北大学病院 材料部)

【はじめに】
当院手術部では,業者貸出手術器械(Lone Instruments:LI, 以下LI)受け取りを看護師がおこない,診療科・貸出業者毎に受け取る方法が異なっていたため,業務が煩雑となっていた.また,貸出器械の過不足の確認や包装,洗浄・滅菌方法の確認もおこなっており,1回の受け取りに30分から2時間程の時間を要していた.その間は手術室と別階の材料部で作業をするため,本来の手術看護業務をおこなえない状況であった.看護業務時間の確保のため,LI受け取り委譲に向けてフロー作成に取り組んだ.
【活動内容】
手術部看護師,材料部,LIを持ち込む仲介業者を含めた話し合いをおこなった.LI持ち込み用の登録用紙を作成し,手術部看護師と仲介業者で確認をしていた項目を記載する欄を設けた.また,業者が用意したメニュー表を使用することでLI受け取り時の過不足確認を不要とした.器械は,直接材料部へ持ち込まれ,登録用紙の情報を基に洗浄滅菌され,手術部へと届けられることとした.この方法を全診療科で統一し,フローを作成した.その結果,LI受け取り業務を材料部へ委譲することが可能となった.運用開始から1年後,フローの評価を目的に,手術部看護師76名へアンケートを実施した.
【結果】
アンケート結果(回答率96%)から「受け取り方法が統一された」「看護師の作業内容が明確になった」「指導・教育がしやすくなった」「業者の作業内容が明確になり,やり取りしやすくなった」などが多かった.また,フローの運用開始前までの方法と比較し,「LI受け取り時の手術部看護師の作業が省略された」等の意見があり,93.1%が「LI受け取りにかかる時間は短縮した」と回答し,フロー導入後のLI受け取りに要する時間は10分以内となった.
【結論】
LI受け取りを材料部に委譲したことにより,LI受け取りに要する時間は大幅に短縮され,手術室看護師が手術看護に専念できるような業務改善がおこなえたといえる.