[52] 当院における術中脊髄モニタリングについて
【はじめに】
術後神経機能障害は患者のQOLを大きく低下させる要因であり,神経障害を発生させないために神経モニタリングが普及している.当院では2018年4月より術中脊髄モニタリングを開始し,脊椎手術にて神経モニタリングを運用している.当院での取り組みおよび神経モニタリングの結果を発表する.また,外肛門括約筋(External anal sphincter:anal)のMEPは導出しにくいため従来の方法とは異なる方法で導出し比較したため報告する.
【対象・方法】
メドトロニック社製NIM-Eclipse E4を用いた2018年4月から2021年1月までの脊椎手術353例を対象とする.モニタリング方法は,運動誘発電位(MEP),体性感覚誘発電位(SEP),持続筋電図モニター(fEMG)をおこなった.全身麻酔は吸入麻酔薬セボフルランにておこなった.外肛門括約筋の比較結果は2種類の方法で同時測定することができた28例を対象とする.外肛門括約筋はデュアル針にてanal(-)anal(+)の方法とシール電極とシングル針にてanal(-)仙骨(+)の方法でMEPを記録する.
【結果】
神経モニタリングを実施した脊椎手術353例の内,フリーランを検出した症例は 120例,術後麻痺は0件となった.外肛門括約筋は症例28例中ベースラインにて波形の目視確認可能であった症例はanal(-)anal(+)では9例,anal(-)仙骨(+)では23例となった.また,anal(-)anal(+)で波形の目視確認ができた9例の平均振幅は54.55μV,同一患者のanal(-)仙骨(+)では84.04μVであった.
【考察・まとめ】
神経モニタリング中のフリーランを術野に知らせることで神経に触れることを最小限にすることができ,術後麻痺を予防することができる.外肛門括約筋は陽極を仙骨とすることで振幅およびベースライン時の波形に優位性が認められた.anal(-)anal(+)よりanal(-)仙骨(+)のほうが,電位差が大きいためと考えられる.
術後神経機能障害は患者のQOLを大きく低下させる要因であり,神経障害を発生させないために神経モニタリングが普及している.当院では2018年4月より術中脊髄モニタリングを開始し,脊椎手術にて神経モニタリングを運用している.当院での取り組みおよび神経モニタリングの結果を発表する.また,外肛門括約筋(External anal sphincter:anal)のMEPは導出しにくいため従来の方法とは異なる方法で導出し比較したため報告する.
【対象・方法】
メドトロニック社製NIM-Eclipse E4を用いた2018年4月から2021年1月までの脊椎手術353例を対象とする.モニタリング方法は,運動誘発電位(MEP),体性感覚誘発電位(SEP),持続筋電図モニター(fEMG)をおこなった.全身麻酔は吸入麻酔薬セボフルランにておこなった.外肛門括約筋の比較結果は2種類の方法で同時測定することができた28例を対象とする.外肛門括約筋はデュアル針にてanal(-)anal(+)の方法とシール電極とシングル針にてanal(-)仙骨(+)の方法でMEPを記録する.
【結果】
神経モニタリングを実施した脊椎手術353例の内,フリーランを検出した症例は 120例,術後麻痺は0件となった.外肛門括約筋は症例28例中ベースラインにて波形の目視確認可能であった症例はanal(-)anal(+)では9例,anal(-)仙骨(+)では23例となった.また,anal(-)anal(+)で波形の目視確認ができた9例の平均振幅は54.55μV,同一患者のanal(-)仙骨(+)では84.04μVであった.
【考察・まとめ】
神経モニタリング中のフリーランを術野に知らせることで神経に触れることを最小限にすることができ,術後麻痺を予防することができる.外肛門括約筋は陽極を仙骨とすることで振幅およびベースライン時の波形に優位性が認められた.anal(-)anal(+)よりanal(-)仙骨(+)のほうが,電位差が大きいためと考えられる.