第96回日本医療機器学会大会

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Oral presentation

保守管理

保守管理

座長:吉岡 淳(仙台赤十字病院)

[56] 当院における生命維持管理装置の運用台数ならびに保守費用に関する検討

楠本 繁崇1, 平野 匠1, 中村 有希1, 南 茂1, 高階 雅紀1, 吉田 靖2 (1.大阪大学医学部附属病院 臨床工学部, 2.大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻 先進臨床工学共同研究講座)

【背景】
当院臨床工学部は,外来・診療棟を対象にした中央管理体制ならびに各部署で保有されている医療機器に対する保守管理をおこなっている.また病院事務部門との連携を図りながら運用台数の適正化ならびに保守費用の低減化を検討している.
【目的】
当院における生命維持管理装置の運用台数ならびに保守費用の推移を振り返り,検討することを目的とする.
【対象と方法】
中央管理ならびに各部署で管理されている血液浄化装置,人工呼吸器,補助循環装置,除細動器,閉鎖式保育器の5機種を対象とした.2014年から2020年までの機器毎の運用台数ならびに保守費用について調査した.
【結果】
2014年から2020年までの運用台数は,平均300台(2020年1月現在)であり,血液浄化装置の運用方法の変更による削減,除細動装置の適正配置,重症感染症対策による人工呼吸器ならびに補助循環装置の更新,適正配置などによる変動があった.また,前年度の保守点検実績を基に,全台数の保守点検間隔や点検内容を精査した上で年度単位で保守点検計画を策定し,実施した.院内技士ならびにメーカによる保守点検の実施率は平均で93.5%(2020年1月現在)であった.未実施となった理由として,臨床使用中,代替機の確保困難,廃棄予定による使用控えなどが挙げられた.実際の保守費用については,機器毎のばらつきはあるものの全ての生命維持管理装置において1台あたり,年間平均14~17万円程度で推移していた.2016年に全ての機器をメーカ対応とした場合に比較して保守費用が4割程度削減されたことを報告しており,保守費用実績に院内技士の人件費を含めてもやや削減傾向にあることが確認された.
【まとめ】
2014年から2020年までの運用台数ならびに保守費用の推移から検討をおこなった.引き続き,機器毎の運用台数の適正化ならびに保守費用の低減化を図りたい.