第96回日本医療機器学会大会

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Oral presentation

保守管理

保守管理

座長:吉岡 淳(仙台赤十字病院)

[59] 院内における機器修理・トラブル対応依頼について

川辺 美由樹1, 竹本 啓貴1, 江崎 康隆1, 梅崎 遼平1, 田中 宏明2, 谷口 良雄2, 松田 和久2 (1.医療法人相生会福岡みらい病院 臨床工学科, 2.医療法人相生会福岡みらい病院 麻酔科)

【はじめに】
医療技術の高度化に伴い,医療機器は増加し益々複雑になっており,臨床工学技士による医療機器の管理は必要性を増している.当院では4年前より医療機器安全管理室を開設し,様々な対応をおこなってきた.今回,当院の医療機器に関する修理・トラブル対応依頼の割合と年変化をもとに今後の課題について検討をおこなった.
【対象・方法】
2017年1月から2020年12月までの4年間を対象とし,院内で起こった修理・トラブル対応依頼の件数,機器内訳について集計した.
【結果】
修理・トラブル依頼の総件数は2017年119件,2018年124件,2019年113件,2020年186件となっており,総件数に対する院内の修理・トラブル対応件数は408件(75.3%)となっている.修理・トラブル依頼機器の内訳は,生体情報モニタ関連が最も多く179件(33.0%),次に離床センサ関連で106件(19.5%),手術室機器関連(電気メス等)88件(16.2%),ポンプ(輸液ポンプ・シリンジポンプ・経腸栄養ポンプ)15件(2.8%),その他154件(28.5%)であった.
【考察】
2020年の依頼件数増の理由として使用年数による不具合・故障の増加や新しい機器の導入,臨床工学技士の業務範囲の理解浸透が考えられる.医療機器関係といえば臨床工学技士にという院内での位置づけができてきたのではないかと考える.修理・トラブル依頼機器の割合は各年において大きな変動は見られなかった.最も多かった生体情報モニタのトラブル依頼では日常的に使用頻度の高い機器であるにもかかわらず,65件中33件(50.7%)で機器の取り扱いに対する理解の不十分さが見られた.また,院外への依頼においては機器内部の故障や断線など,院内での対応が難しいものであった.
【まとめ】
今後の課題として,新しい機器に対しては導入時の操作方法や周知の徹底.最も依頼の多かったものから順に勉強会をおこない,機器に対しての理解を深めていく.