[62] 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)を不活化する過酸化水素ガス暴露条件の研究
【はじめに】
新型コロナウイルス感染症の流行が大きな問題になっている.除染作業は,消毒剤による清拭法や紫外線照射法が一般に用いられている.清拭法は,長時間の作業による感染のリスクがあり,拭き残しの懸念もある.紫外線照射法は,陰となる箇所には効果がない上に清拭も必要とする.清拭法では,部屋単位でなくフロアー単位で消毒することが多く,空室になっても待機患者の入れ替えがスムーズでないことも自宅待機中での死亡例の一因となっている.また,学校や介護施設等での除染作業の方法についても課題がある.これらの解決策の一つとして,新型コロナウイルス用の室内空間除染機の過酸化水素ガスの暴露条件を調査した.
【方法】
新型コロナウイルスの不活性試験は,一般細菌を用いて間接評価をおこなった.チャンバー(800×400×300mm)を用いて,過酸化水素ガス(5~30ppm,5ppm間隔)に暴露時間(5~60分,5分間隔)の調査をした.対象の菌(×103個)を普通寒天培地に塗布し,暴露後35℃で48時間培養して生残菌数を確認した.一般細菌を不活化できる過酸化水素ガスの暴露条件から,新型コロナウイルスの不活化に必要となる過酸化水素ガスの暴露濃度と時間を推測する.
【結果】
調査は,暴露試験と培養の回数が45系列になっているが,まだ継続中である.使用した一般細菌は3種であり,菌の生存率では,緑膿菌>大腸菌≒黄色ブドウ球菌の傾向があった.過酸化水素ガスによる消毒条件は,15ppmで24分,25ppmでは15分であった.
【結語】
新型コロナウイルスを不活化できる過酸化水素ガスの暴露条件を推測した.除染時間は,除染後に作業環境基準以下にする時間を加える.そのため除染時の最適なガス濃度は,除染処理の時間を最短できる.
新型コロナウイルス感染症の流行が大きな問題になっている.除染作業は,消毒剤による清拭法や紫外線照射法が一般に用いられている.清拭法は,長時間の作業による感染のリスクがあり,拭き残しの懸念もある.紫外線照射法は,陰となる箇所には効果がない上に清拭も必要とする.清拭法では,部屋単位でなくフロアー単位で消毒することが多く,空室になっても待機患者の入れ替えがスムーズでないことも自宅待機中での死亡例の一因となっている.また,学校や介護施設等での除染作業の方法についても課題がある.これらの解決策の一つとして,新型コロナウイルス用の室内空間除染機の過酸化水素ガスの暴露条件を調査した.
【方法】
新型コロナウイルスの不活性試験は,一般細菌を用いて間接評価をおこなった.チャンバー(800×400×300mm)を用いて,過酸化水素ガス(5~30ppm,5ppm間隔)に暴露時間(5~60分,5分間隔)の調査をした.対象の菌(×103個)を普通寒天培地に塗布し,暴露後35℃で48時間培養して生残菌数を確認した.一般細菌を不活化できる過酸化水素ガスの暴露条件から,新型コロナウイルスの不活化に必要となる過酸化水素ガスの暴露濃度と時間を推測する.
【結果】
調査は,暴露試験と培養の回数が45系列になっているが,まだ継続中である.使用した一般細菌は3種であり,菌の生存率では,緑膿菌>大腸菌≒黄色ブドウ球菌の傾向があった.過酸化水素ガスによる消毒条件は,15ppmで24分,25ppmでは15分であった.
【結語】
新型コロナウイルスを不活化できる過酸化水素ガスの暴露条件を推測した.除染時間は,除染後に作業環境基準以下にする時間を加える.そのため除染時の最適なガス濃度は,除染処理の時間を最短できる.