第96回日本医療機器学会大会

Presentation information

Oral presentation

洗浄評価

洗浄評価

座長:柴田 義浩(国立病院機構熊本再春医療センター)

[68] 再生可能医療機器の残留タンパク質定量精度に与える要因について

藤田 敏, 三軒 隼人 (クリーンケミカル㈱技術部)

【背景】
再生可能医療機器の再生処理プロセスにおいて,洗浄プロセスが重要な役割を果たしていることは,各種ガイドラインや研究会活動において周知され,また,日本医療機器学会より,器械に残留する残留タンパク質量の基準値が示された.それにより,洗浄の質の評価に関心が高まり,洗浄後の残留タンパク質量を抽出法にて定量するケースが増加している.残留タンパク質定量をおこなう上で,試験結果に与える要因は多く,複雑であり,十分検証する必要がある.抽出法が普及することは望ましいことであるが,今後の更なる滅菌物の品質向上には,定量精度を向上させることが不可欠である.そこで,今回残留タンパク質定量精度に与える要因について紹介し,各要因について考察する.
【方法】
評価対象器械の選定から定量結果が得られるまでの各工程における要因を抽出し,それら要因について考察した.
【結果および考察】
抽出された要因はすべて定量精度に影響を与え,一つでも抜けると正確に定量できない可能性があり,要因の特定と検証が必要であることが判った.また,定量を実施する場合はもちろんであるが,外部へ依頼する場合もこれら要因を理解した上で,試験報告書を確認し,承認する必要があると思われる.