第96回日本医療機器学会大会

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Oral presentation

滅菌3

滅菌3

座長:加藤 美加(大阪大学)

[72] 当院の高圧蒸気滅菌器とボウィーディックテストパックにおける整合性の検証

麻谷 治夫 (聖路加国際病院 中央滅菌室)

【目的】
当院では今回,ボウィーディックテストパック(以下テストパック)の判定診断の個人差をなくすことを目的とし,テストパックの変更をおこなった.滅菌機自体の設定変更は実施せず,新しいテストパックの運用を始めた.しかし,変更した製品でボウィーディックテストを実施した際,テストパックの変色にムラが確認され,判定不良が生じるようになった.そこで,滅菌機メーカの技術者とともに,テストパックの変色条件を確認し,ボウィーディックテスト工程とテストパックの整合性について検証をおこなった.
【方法】
オートクレーブは,全4台設置してあり,1,2号機は到達真空度が-90kPa前後であり,3,4号機は-95kPa前後である.今回は4号機を用いて検証をおこなった.到達真空度を,-95,-90,-80,-65kPa前後に設定した.そのうえでコンディショニング工程におけるパルス回数をそれぞれ2回から5回まで変更し,それぞれのテストパックの変色度合いを確認した.リークテストは0.13kPa/min以内である.使用テストパックはGETINGE社製の6001155600,使用滅菌装置は,サクラ精機製VSCH-G15内容積1.603立方メートルを使用している.
【結論】
テストパックの変色条件において,到達真空度が低下している場合は,コンディショニング工程におけるパルス回数を増やす必要があることが実証された.そして,テストパックの変色条件を実際に確認することができたことにより,現状のボウィーディック工程と変色条件との関連を確認し,安定した工程管理をおこなうことに寄与できた.