第96回日本医療機器学会大会

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Poster presentation

ポスター演題

[P12] 3軸加速度センサを用いた肺機能検査

松岡 光希, 深澤 伸慈, 井澤 純子 (公立小松大学保健医療学部臨床工学科)

呼吸器疾患には拘束性,閉塞性,混合性がある.拘束性疾患の代表的なものとしては肺線維症があり,肺の線維化と共に肺活量の減少が起きる.閉塞性疾患の代表的なものに,慢性閉塞性肺疾患(COPD)がある.従来,肺気腫や慢性気管支炎と呼ばれてきた病気の総称で,喫煙習慣を背景に中高年に多発する疾患である.現在,40歳以上の人口の8.6%,約530万人のCOPD患者が存在すると推定され,COPDは死亡原因の全体で9位,男性では7位を占める重篤な疾患の一つである.肺疾患の検査方法としては,呼吸機能検査(スパイロメトリー),画像診断装置による検査がある.COPDは吸気,呼気の異常に特徴があるため,肺気量分画(呼吸機能検査)をおこなうことにより判別が可能となる.スパイロメトリーは画像診断装置に比べると小型であるが,病院など限られた施設にしか設置されておらず,通院が困難な要介護者や高齢者に対し在宅で検査をおこなうことはできない.COVID-19は高齢者や基礎疾患のある方は重症化しやすいといわれており,呼吸器疾患の患者は注意が必要である.このため,在宅での検査,簡便な検査方法が望まれている.本研究で用いる3軸加速度センサは,3.9×4.4CMと小型で持ち運びやすい形状である.もし3軸加速度センサにより呼吸機能検査が可能であれば,非侵襲で簡便な肺機能検査の提案が可能となる.本稿では3軸加速度センサを用いた換気量の測定方法について検討したので報告する.