第96回日本医療機器学会大会

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ポスター演題

[P16] 蒸気滅菌用化学的インジケータカードの合否判定について

早坂 和宏, 小柳 真平, 田中 公太 (東海大学医学部付属病院)

【はじめに】
当院では,色調で合否判定する化学的インジケータカード(以下CI)を挿入しているので,色調変化をスタッフに教育する必要がある.今回,同意が得られた中材業務経験者28名を対象に蒸気滅菌用CI(色調で合否判定する2種類をAとB,インクの移動で合否判定する1種類をC)を3種類準備し,CIを直接目視する方法と滅菌バッグへ挿入されたCIを目視する方法で合否判断の精度について調査をしたので報告する.
【方法】
1.蒸気滅菌用CIを準備した.
色調判定方式を2種類,インク移動判定方式(移動判定)を1種類
2.国際規格ISO 18472(2018)に適合した評価用滅菌器用いて,合格と不合格のCIを作成した.
3.色調判定CIを2種類使用し,CIを直接目視する方法とCIを滅菌バッグへ挿入したものを目視する方法で合否判定をおこなった.
4.移動判定CIを使用し,CIを直接目視する方法とCIを滅菌バッグへ挿入したものを目視する方法で合否判定をおこなった.
5.本研究への参加は自由意志である.また,技術的知見を図るものではない.
【結果】
直接CI目視判定では
Aは 82.6% の正答率,Bは 83.5% の正答率であった.
Cは 97.8% の正答率であった.
滅菌バッグ挿入CI目視判定では
Aは 81.3% の正答率,Bは 84.4% の正答率であった.
Cは 98.7% の正答率であった.
【考察】
・今回評価に用いたCIは,判定のしやすさに関して色調判定方式よりも移動判定方式の方が正しく判定できる傾向があった.
・CIが滅菌バッグへ挿入されているとバッグのフィルム部がフィルタとなり色調の差異が出にくくなるため迷わず直感的に判断する傾向があったが,CIを直接目視する方法では色調が良く見えるため迷いが生じ,合格のものでも不合格にする傾向があった.
・色調判定方式は室内の明るさや目のコンディションによって明らかな合格判定のものまで不合格と判断するということがわかった.
・移動判定方式は合格ラインぎりぎりの場合,不合格と判定するケースもあった.