第96回日本医療機器学会大会

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ポスター演題

[P23] 内視鏡下止血術用超小型プラズマジェットの試作と血液凝固実験

石川 雄大1, 末永 祐磨1, 沖野 晃俊1, 高松 利寛2, 池松 弘朗2 (1.東京工業大学, 2.国立がん研究センター)

【背景・目的】
近年,室温から100℃程度の大気圧低温プラズマの血液凝固作用が報告され,低侵襲な止血法として注目されている.我々のグループでは,内視鏡の直径3.2mmの鉗子口へ挿入して使用できる直径2.8mmの小型低温プラズマジェットを金属の3Dプリンタを用いて製作し,止血に応用してきた.しかし,1つの鉗子口内で2つ以上の機能を使用しようと考えた場合,より小さい径のジェットが必要となる.そこで本研究では,直径1.45mmの超小型プラズマジェットを試作し,ブタの血液を用いて血液凝固効果を評価した.
【超小型プラズマジェットの試作】
試作したプラズマジェットは,直径1.2mmのアルミナ製の管の内部に直径0.25mmの導線を通し,管の外部から内部に回り込むように対極の導線を配置したものである.この2本の導線間に高電圧を印加することで放電を起こし,プラズマを生成する.プラズマ生成ガスには,生体への吸収性が良く,血栓が生じにくい二酸化炭素を使用した.
【血液凝固効果の評価】
低発塵不織布にピペットを用いて2.0μLのブタの血液を滴下し,上方3mmから流量1.5SLPMの二酸化炭素および,50Hz,5.0kVの交流高電圧で生成した二酸化炭素プラズマを照射した.照射後,同様の不織布を上から被せてシリコンゴムでスタンプし,凝固していない血液を転写した.転写された不織布に血液が全く付着しない状態を0,血液を滴下した直後に転写した状態を5として転写された血液の量を6段階で目視評価することで,血液凝固効果を数値化して評価した.