第96回日本医療機器学会大会

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Poster presentation

ポスター演題

[P5] 医療テレメータと無線LANの電波環境報告

齋藤 夏実1, 鈴木 祥仁1, 守屋 賢志1, 遠藤 哲夫2, 石島 透2, 安形 司3 (1.新城市民病院 医療技術部 臨床工学課, 2.大成建設㈱技術センター先進技術開発部 IoT推進室, 3.新城市民病院 医療技術部)

【目的】
当院において電子カルテ用無線LANおよび医用テレメータの適切な電波管理を目的に,電波環境モニタリングシステム:T-Hospital Wireless Viewer による電波調査およびモニタリングの実証実験をおこなったため,運用結果を報告する.
【方法】
電子カルテ用無線LANの測定には,医療用カート10台に測定装置を搭載し,4週間のモニタリングをおこなった.記録されたデータから病室毎の無線LANの繋がりやすさを評価した.また,測定装置の位置を特定するため,BLEビーコンを使用した.医用テレメータは,各病室を回り,測定をおこなった.セントラルモニタに接続される受信アンテナに信号分配器を設置し,セントラルモニタとスペクトラムアナライザに受信信号を2分配することでテレメータ搬送波の受信信号強度とノイズの比(C/N比[dB])を測定した.
【結果】
電子カルテ用無線LANは,日単位のモニタリング結果では,電波が「非常に弱い(RSSI=-85dBm以下)」と判断された病室が存在するが,週間および月間のモニタリング結果ではすべての病室において「弱い(RSSI=-65dBm~-85dBm)」以上の結果となった.565号室では全日を通して一度もデータが取得されなかった.医用テレメータは,4階および5階の測定点では30dB以上のC/N比となり安定した電波強度であった.3階は浴室および理容室前廊下で15dB~30dBのC/N比となった.また,透析室は15dB以下であり電波が繋がりにくい環境であった.
【考察】
長期間のモニタリングをおこなうことによって瞬時データではなく各病室の定常的な電波の状況を把握することが可能となることが確認された.医用テレメータは,セントラルモニタで安定した通信をおこなうために十分な信号強度であることを確認した.今後,本測定およびモニタリングにおいて得られたデータを用いることによって,病院内の適正な電波管理をおこなうためのレポートやマニュアル整備などを支援することを予定している.