第96回日本医療機器学会大会

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Symposium

シンポジウム1 貸し出し器械の履歴管理の工夫と具体的対策

座長:小久保 安朗(福井大学),根本 裕司(ミズホ株式会社)

[シンポジウム1] 鋼製器具管理システムからみるLI(Loan Instruments)の管理状況と可能性の検討

田村 隆二 (ミズホ㈱国内営業本部 販売技術部)

手術用鋼製器具管理システムの導入が全国の医療機関で散見されはじめ,管理面,安全面における意識が各手術部・材料部で高まりを見せている.医療機関内で再生処理される鋼製器具は,個々に形状的・材料的な特徴を有しており,これにより管理・識別に困難を要する物も多いが,本体へのダイレクトマーキングにより個体識別が可能となり,鋼製器具の90%以上のトレースが運用上で可能であることが分かっている.
一方,LIに関しては,医療機関への預託や短期貸し出し,持ち込みなど,トレース管理責任区分が明確でなく,また臨床医からの一定のメーカ機器使用の要求や器材制限など,難しい施設も多く,基本管理外とならざるを得ない現状となっている.
要因として,
・個体識別手法が実施されておらず,個体単位で識別化が不可能
・LIの種類が多種多様であり,管理が煩雑・膨大となる.
・LIの院内管理が困難で,作業が属人的になり,担当者の知見および経験で判断される.
等が考えられる.

医療現場のみの対応では,LIトレース管理には限界があるため,製造販売業者(LI所有者)および販売業者(代理店)と医療機関との連携が,インプット時から必須であり,返却後のデータフィードバックも検討すべきと捉えている.