第96回日本医療機器学会大会

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Symposium

シンポジウム2 臨床現場からの医療機器開発

座長:住谷 昌彦(東京大学),中島 章夫(杏林大学)

[シンポジウム2] 酸素ボンベ残量アラート装置の上市

吉澤 光崇 (社会医療法人抱生会丸の内病院 臨床工学課)

医療ガス関連のインシデント・アクシデントは酸素ボンベ(以下ボンベ)に関するものが一番多く,中でも患者使用中に「ボンベが空」になる事象が多い.ボンベ使用前に残量の確認をするのは鉄則である.しかし「ボンベが空」になる事例の32%は医療従事者がボンベ使用前に残量の確認をしていたにも関わらず発生した,との報告がある.使用前に残量の確認をしても,インシデント・アクシデントが臨床現場では起こりうる.「ボンベが空」問題の対策の一つとして,ボンベ残量の減少時にアラートによって知らせる『酸素ボンベ残量アラート装置』を医工連携によって開発し,上市した(㈱ユタカ製).
本製品は,以下の特徴を持つ.①単4電池2本を電源とする(交換は1年推奨).②警報圧は
3MPa(精度±1MPa).③ボンベ内容積を選ばず使用可能.④ネジ式ボンベとヨーク式ボンベいずれにも対応する.⑤各社の減圧弁に接続可能(特注可).⑥人工呼吸器に使用可能(酸素チャック付減圧弁に装着可).⑦電池残量低下を知らせる機能を持つ.
本製品は開発の着手段階からマーケティングの視点を取り入れている.一つは,購入コストを抑え導入しやすくしたことである.そのための材料選定,仕様を検討した.また,多くの患者に使っていただくために,使いやすく汎用性が高い製品を目指した.在宅ではヨーク式ボンベの使用が多く,ヨーク式ボンベに対応した.
本シンポジウムにおいては,本製品が上市するまでの経緯とユーザの使用感について報告する.