第96回日本医療機器学会大会

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Oral presentation

トレーサビリティ

トレーサビリティ

座長:美代 賢吾(国立国際医療研究センター)

[T24] RFIDを全面的に活用した院内医療材料管理

宮地 秀之 (小西医療器㈱ソリューション事業本部)

【はじめに】
大阪大学医学部附属病院では,「医療の安心安全と業務の効率化」のため,2020年1月より手術室管理システム(以下Precision)の導入に向けて準備が始まり,現在稼働している.さらには,2021年6月より病棟および外来で定数管理している医療材料に全面的にRFIDタグを貼付し管理する仕組みが稼働する予定である.

【目的】
Precisionは,個々の医療材料にRFIDタグを貼付し,術前の準備,術後の回収時にRFIDタグを読込み,患者別使用実績を取得することが目的の1つである.
さらに,もう一つの目的は,期限チェックや自主回収,さらには棚卸にもRFIDタグを読込んで確認をおこない,「医療の安心安全」を担保し,業務の効率化を図る.

【現状と今後】
世の中では,ユニクロをはじめ多数の企業がRFIDタグの貼付を開始し,業務の効率化や人員の削減をおこなっている.現在手術部では,どの患者にどの医療材料,さらにはどのロットを使用したかまで管理している.もし,不具合があった場合には,在庫のみならず使用した患者まで特定が可能である.
大阪大学医学部附属病院では,現在の運用を大きく変えず,入出庫から患者別消費までのトレーサビリティをどのように管理するか検討を重ねてきた.検討の結果が「RFIDタグ」の活用である.多くの医療機関では,SPD業者がSPDカードを医療材料に貼付し,SPDカードを回収=消費,そして払出しという運用が一般的である.一般的な運用に対し,どのようにRFIDタグの特性を生かし活用するかを検討し,現在テスト運用をしている.