9:40 AM - 9:50 AM
[11] 歯科用デリケート器材の超音波洗浄器における洗浄効果について
【背景】
う蝕により歯髄が感染し壊死すると,感染
した組織を除去しその空隙を充填する必要があ
る.その際に使われるリーマはらせん状になっ
ており,溝に組織片が付着する.確実な洗浄・
滅菌がなされれば再使用可能であるが,適切な
洗剤と超音波洗浄器での汚染物の化学的・物理
的分解・除去が必要なため,6施設で超音波洗
浄器を用いて洗浄効果を検証した.
【方法】
トマトジュース・卵白を混合し水で希釈した
混合液を6本のマニー社製リーマ28mm#80の
らせん部分に100μg塗布し,同社製マルチホ
ルダーFG&ファイル16本用(以下ホルダー)
で固定し室温にて半日自然乾燥させた.混合
液はキッコーマンバイオケミファ社製ルミテ
スターおよびルシパックA3Surfaceを使用し
てAMP(Adenosine monophosphate)・ADP
(Adenosine diphosphate)・ATP(Adenosine
triphosphate)を測定し,130,000RLU(Relative
Light Unit)前後になるように調製した.ビィ
ソニックス社製EXV-N3(3施設)・カボデン
タルシステムズ社製Q140Ag・ジーシー社製ハ
イパワーソニックHS-I・共和医理科社製KS
-140Nの超音波洗浄器を使用した.希釈・調
製した蛋白質分解酵素入り中性洗剤モリタ製ウ
ルトラクレンザイムとホルダーに立てたリーマ
をガラス製容器に入れて洗浄槽の左右2か所に
置き,5分間と15分間の洗浄後にA3を測定した.
【結果】
6施設中2施設では左側に,4施設では右側
に残留していた.6施設での中央値と標準偏差
は,5分間の左側が56.5と148.9,右側が58.0と
280.2,15分間の左側が36.0と208.7,右側が37.0
と247.3であった.
【考察】
5分間と15分間では15分間のほうが残留が
少なかったが,リーマの溝の洗浄にはフラット
な器材よりも汚染物が残留しやすいため,洗浄
に適した時間設定が必要となる.
【結語】
リーマは把持部がプラスチック製であり,超
音波洗浄においては超音波が減衰するなどの可
能性がある.各医療施設にて適切な洗浄時間を
設定するための検証が必要である.
う蝕により歯髄が感染し壊死すると,感染
した組織を除去しその空隙を充填する必要があ
る.その際に使われるリーマはらせん状になっ
ており,溝に組織片が付着する.確実な洗浄・
滅菌がなされれば再使用可能であるが,適切な
洗剤と超音波洗浄器での汚染物の化学的・物理
的分解・除去が必要なため,6施設で超音波洗
浄器を用いて洗浄効果を検証した.
【方法】
トマトジュース・卵白を混合し水で希釈した
混合液を6本のマニー社製リーマ28mm#80の
らせん部分に100μg塗布し,同社製マルチホ
ルダーFG&ファイル16本用(以下ホルダー)
で固定し室温にて半日自然乾燥させた.混合
液はキッコーマンバイオケミファ社製ルミテ
スターおよびルシパックA3Surfaceを使用し
てAMP(Adenosine monophosphate)・ADP
(Adenosine diphosphate)・ATP(Adenosine
triphosphate)を測定し,130,000RLU(Relative
Light Unit)前後になるように調製した.ビィ
ソニックス社製EXV-N3(3施設)・カボデン
タルシステムズ社製Q140Ag・ジーシー社製ハ
イパワーソニックHS-I・共和医理科社製KS
-140Nの超音波洗浄器を使用した.希釈・調
製した蛋白質分解酵素入り中性洗剤モリタ製ウ
ルトラクレンザイムとホルダーに立てたリーマ
をガラス製容器に入れて洗浄槽の左右2か所に
置き,5分間と15分間の洗浄後にA3を測定した.
【結果】
6施設中2施設では左側に,4施設では右側
に残留していた.6施設での中央値と標準偏差
は,5分間の左側が56.5と148.9,右側が58.0と
280.2,15分間の左側が36.0と208.7,右側が37.0
と247.3であった.
【考察】
5分間と15分間では15分間のほうが残留が
少なかったが,リーマの溝の洗浄にはフラット
な器材よりも汚染物が残留しやすいため,洗浄
に適した時間設定が必要となる.
【結語】
リーマは把持部がプラスチック製であり,超
音波洗浄においては超音波が減衰するなどの可
能性がある.各医療施設にて適切な洗浄時間を
設定するための検証が必要である.