第97回日本医療機器学会大会

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Oral presentation

手術室

手術室

Fri. Jun 3, 2022 9:00 AM - 9:50 AM 第4会場 (アネックスホール F204)

座長:谷口 雄司(鳥取大学)

9:00 AM - 9:10 AM

[23] ハイブリッド手術室における術中装置トラブルの解析および対応マニュアルの作成

柳川 康洋 (大阪大学医学部附属病院 医療技術部 放射線部門)

【背景】
ハイブリッド手術室は,手術台と心・血管
X線撮影装置を組み合わせた手術室のことであ
る.手術室と血管造影検査室それぞれ別の場所
に設置されていた機器を組み合わせることで,
大動脈ステントグラフト内挿術やTAVIなどの
血管内手術が実施されている.当院では,2009
年3月に稼働開始.2019年10月より新たなハイ
ブリッド手術室に更新された.ハイブリッド手
術室は特殊性が高く,術中に装置の不具合が生
じた場合は,大きなトラブルに発展する可能性
が潜む.
【方法】
昨年2021年に発生した装置の不具合に関し
内容を解析.エラーの内容や事象をピックアッ
プし,事象に対しての対応策をフローチャート
にまとめ統一化を図ると共にトラブル対応に関
するマニュアル化を進めた.
【結果】
1年の間で14件の装置不具合が生じた.術中
の不具合は7件あり簡易的なトラブル対応策で
あるBypassモードで復旧できたのが3件.再
起動を要する事象は1件.手術室の隣の機械室
での作業を要したのは1件,途中で移動型透視
装置を導入した対応するケースは0件であった.
【考察】
おおよそ,月に1度の頻度で装置の不具合が
生じるものと思われる.まだ装置導入から年月
が到達していないため,装置の復旧不可能な事
態は生じていない.以前の装置では2例,装置
の継続使用を断念し移動型透視装置を導入した
経験があるため,今後の不測事態の発生と対応
策の情報共有は不可欠と考える.
【結論】
結果より,不具合発生に伴う対応策をまとめ
フローチャートを作成し,具体的な復旧方法と
それに要する時間を把握できた.マニュアル化
により誰でも同様のトラブル対応が取れる環境
を構築すると共に,全技師間の状況共有と意思
統一を図ることに直結する.さらに復旧に要す
る時間と方法を明確化することで,手術停滞時
間の短縮につながり医療安全の点からも有効で
ある.