第97回日本医療機器学会大会

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Oral presentation

テレメータ

テレメータ

Fri. Jun 3, 2022 10:00 AM - 10:50 AM 第4会場 (アネックスホール F204)

座長:楠本 繁崇(大阪大学)

10:20 AM - 10:30 AM

[30] 生体情報モニタの簡易スペアナ機能を活用した無線式医用テレメータ電波調査の有用性

元石 徹也1, 石森 幸治郎1, 大澤 宗太郎1, 島谷 洋志1, 佐々木 恵1,2, 西江 和夫1,2, 高山 綾1,2,3, 茅野 功3 (1.川崎医科大学総合医療センターME センター, 2.川崎医科大学附属病院 ME センター, 3.川崎医療福祉大学医療技術学部臨床工学科)

【背景】
当院は電波協議会の手引きに基づき,関連大
学と協力しスペクトラムアナライザ(Spectrum
analyzer:以下SA)を用い,年1回無線式医
用テレメータ(以下送信機)の電波調査を実施
している.しかし,COVID-19により来院調整
が困難となったため,当院所有機のみで調査可
能か検討をおこなっていた.他施設・研究所に
て生体情報モニタの簡易SA機能の有用性につ
いて報告されており,今回,院内の電波環境に
ついて簡易SA機能を使用し,CEのみで調査す
る方法を検討したため報告する.
【対象・方法】
SAにて測定した手法と同様に一般病棟,外
来に設置した送信機を対象に,フクダ電子社製
生体情報モニタDS-2150の簡易SA機能を使用
し,出力を測定した.各病棟で最大3ヵ所,計
38 ヵ所で測定をおこなった.簡易SA機能では
測定結果を機器本体へ保存できないため,測定
画面をカメラで撮影した.測定後,撮影画像解
析により受信チャネルを抽出し,電波環境の検
討および受信障害発生の可能性について検討し
た.受信障害の内,相互変調による受信不良発
生の検討は解析ツールを作成・使用しおこなっ
た.
【結果】
院内電波環境測定に簡易SA機能を使用し,
各病棟設置の送信機電波と他病棟設置の送信機
電波が確認できた.さらに相互変調による受信
不良が示唆されるチャネルの特定がおこなえ
た.また,特定のチャネルのみ全測定場所で確
認され,使用する生体情報モニタ固有のチャネ
ルと判断した.調査に基づき,相互変調による
受信不良が示唆されたチャネル変更をおこなっ
た.
【課題】
SAによる測定は1ヵ所あたり2分程度で
あったが,簡易SA機能による測定は10分程度
と時間がかかった.受信チャネルの抽出,電波
環境の検討はどちらも数ヶ月有し,効率的な方
法の検討が必要である.その一環として,解析
ツールの改良をおこなっていく予定である.
【結語】
簡易SA機能を使用することで院内の電波調
査が可能であり,当院所有機のみで調査方法の
確立がおこなえた.