第97回日本医療機器学会大会

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Oral presentation

材料部管理

材料部管理

Sat. Jun 4, 2022 11:20 AM - 12:00 PM 第3会場 (アネックスホール F205+F206)

座長:齋藤 篤(大阪大学)

11:20 AM - 11:30 AM

[45] 再生処理業務における教育プログラムの構築と勤務環境の改善

冨樫 清英, 河野 絵理, 東田 明美, 中崎 理恵子, 山内 朋子, 早坂 隆吾, 福原 京子, 林田 史香 (北見赤十字病院 物流情報管理室 滅菌係)

【はじめに】
2016年当院では退職等に伴い部署職員が
40%減少,業務に大きな支障が発生した.時間
内に業務が終了せず,残業・休日出勤が増加,
さらに退職者が発生する負の連鎖が起こった.
人員不足により新入職員へ指導がおこなえず,
精神的不安の訴えが増加,指導する職員から負
担増に伴う退職の意志が表れた.そこで離職防
止を図るため再生処理における教育プログラム
を改訂・整備し,残業削減等勤務環境の改善を
5年かけて構築した.
【方法】
職員へアンケートを実施,現状把握をおこ
なった結果,指導に大きな負担を感じ,先輩職
員の行動・言動に不安を感じていることが明ら
かになった.長時間労働により私生活に影響が
出ていることも判明.次に監査・面談を実施し
たところ,過重労働により業務手順が守られず
ミスが多発,待遇の不満が増えていることが判
明.そこで,計画的な人員増をおこない,再生
処理における教育プログラムの再構築,手術器
材管理・業務等のマニュアル改訂,残業削減の
ため手術室器材管理・使用済器材の回収業務を
開始,処遇改善のため待機手当新設・正職員登
用制度の新設を申請し,部署内の働き方改革を
おこなうと同時に他部署へのタスクシフトを図
ることで病院幹部へ現状の理解と処遇改善の働
きかけをおこなった.
【結果】
面談等実施,教育プログラム・マニュアルの
改訂によって能力が向上し日常業務の効率化が
図られた.勤務環境における不満等は約40%低
下していた.新規業務の追加で業務量は増加し
たが,残業は5年前と比較し約30%低下した.
新たな手当の承認と正職員登用制度を用い,滅
菌部門におけるキャリアパス制度が実現した.
【結論】
中央滅菌部門は縁の下の力持ちと言われる
ことが多い.しかし支える手が少なく力が無い
状態では支えられない.教育プログラムの策定
等により業務の標準化を図り安定した業務と職
場環境を整え,他部署のタスクシフトを推進し
処遇改善をおこなうことで安定と発展が可能で
病院全体に有益に働くと思われる.