第97回日本医療機器学会大会

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Oral presentation

滅菌

滅菌1

Sat. Jun 4, 2022 2:00 PM - 2:40 PM 第3会場 (アネックスホール F205+F206)

座長:酒井 大志(越谷市立病院)

2:00 PM - 2:10 PM

[49] 当院における再生使用可能医療機器以外の滅菌物の考察

小林 誠, 村上 有子, 副島 祐子, 岩井 孝子 (公益財団法人日本心臓血圧研究振興会附属榊原記念病院 業務管理部 材料管理課)

【はじめに】
医療現場における滅菌保証のガイドライン
2021が出版され,滅菌供給部門における再使
用可能医療機器(以下RMD)の再生処理は品
質マネジメントシステムを基盤としたバリデー
ションに従って実施するように勧告されてい
る.しかし当院の一部では未だに「滅菌器に入
れれば滅菌できる」と認知されている.この
ような環境であるため,RMD以外の物が各部
署から滅菌依頼される場合がある.RMD以外
の滅菌依頼は受けないことを原則としている
が,医師や看護師から指示された場合,NOと
言えない現実がある.リスクアセスメントの観
点からRMD以外の滅菌処理は保証することが
できず医療の質を担保できない.今回,院内に
RMD以外の滅菌処理は不可能であることを広
く認知してもらい啓蒙することを目的として,
資料を作成し院内で一定の知見を得たので報告
する.
【目的】
院内に,RMD以外の物を滅菌処理すること
は不可能であることを告知すると同時になぜ処
理できないのか啓蒙し理解頂く.
【方法】
RMD以外の物の滅菌処理に伴うリスク,滅
菌不可理由,滅菌の保証方法解説などを平易に
短時間で理解しやすい文章,イラストなどでA
4程度の紙媒体として表現し,医療安全,感染
管理を通じて院内各処に配布,および,必要に
応じて勉強会をおこなう.
【考察】
医療現場で RMD以外の物を滅菌する場合に
は,RSUD(再製造医療機器)と同等の設備や
公的認可が必要と考える.これは院内での実現
は現実的ではないことを意味している.いずれ
にしても,不可能な処理をおこなうことは当院
理念,医療倫理に反している.なお,医療用で
同じ依頼品を探すことが想定より困難であった.
【結果】
RMD以外の物の滅菌依頼は激減したが残念
ながらゼロにはなっていない.依頼件数ゼロを
目指し,さらに啓蒙してゆきたい.