第97回日本医療機器学会大会

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Oral presentation

滅菌

滅菌2

Sat. Jun 4, 2022 2:50 PM - 3:40 PM 第3会場 (アネックスホール F205+F206)

座長:村越 智(東京大学)

3:20 PM - 3:30 PM

[56] 歯科医療機器と安全

清水 正路 (公益社団法人日本医業経営コンサルタント協会)

【背景】
・ 医科,歯科連携が思ったよりも進まない原
因は学問の体系が異なる点が挙げられる
が,複数の疾患をかけ持つ高齢者患者がそ
の連携促進のキッカケになっている背景が
ある.
・ 口腔内コントロールは医療費を削減する効
果があり,自分の歯で食べる人生100年時
代の足掛かりになっている.それを担って
いるのが歯科衛生士であり今後,医科歯科
の連携に必須な職種である.さらに,歯科
医療においては安全・衛生管理などが遅れ
ており市場の整理と歯科特有のリスク対策
が必要である.
【医療機器の取り扱い】
・ 歯科用チェアは重量物であり患者の乗り降
りの際には細心の注意が必要であり起き上
がるときに起立性低血圧を起こす危険性が
ある.
・ 鋭利な器具も多く,医療従事者の取り扱い
が大変重要である.
【診療機器に関する意識】
・ 治療を医療機器に依存する比率が高いが,
機器のバックアップに対する考え方が薄い
ため医療機器の不具合は致命的であり,予
定された診療ができないリスクを伴う.
・ 機械室の管理は脆弱であり衛生管理もされ
ていない.
【放射線】
・ 放射線に対する危機意識と知識が不足して
いる.歯科医院のX線導入率は100%であ
るにもかかわらず,従業員の知識レベルが
不均等であるため不信感が出る場合がある.
【感染,滅菌】
・ 洗浄・滅菌は危ない作業でありその認識が
ない,滅菌のスタンダードを従業員が理解
しておらず,詰め込みすぎで滅菌できてい
ない実態がある.また高圧蒸気滅菌器に対
する安全管理と意識がないため火災や事故
などの原因にもなっており,第三者評価が
今後望まれる.
【事故,防災,防犯,法令】
・ 医療事故や災害など有事の際のフロー
チャートがないためその整備が必要である.
・ 災害対策,サイバー攻撃を含めた防犯対策,
女性職場のハラスメント,医療法,個人情
報保護法など,一般産業からのヒントなど
を導入する仕組みも必要である.