医療機器管理2

[67] 保守管理業務の見直しによる業務改善への取り組み

長島 孝行, 舘野 莉緒, 関根 利江子 (医療法人社団愛友会上尾中央第二病院 臨床工学科)

【はじめに】
当院では以前から業務の殆どを委託業者に
任せる形で共に保守管理業務をおこなってい
た．臨床工学技士は毎日１名ラウンドをおこ
なっていたが，業者は月１回の来院であり不備
も多々見られていた．そのため，業務内容およ
びシステムの見直しをおこない業務改善への取
り組みをおこなった．
【方法】
１ ．委託業者を廃止し，業務体制を臨床工学
技士２名へ変更．
２ ．日常点検表を作成し電子媒体での管理と
し毎日ラウンド後入力．定期点検表も新た
に作成．
３ ．主要機器の情報が一覧で分かるように機
器台帳を作成．
４ ．機器の詳細や取扱説明書，添付文書や定
期点検表，メンテナンス記録も閲覧できる
ように機器マスタを作成．
５ ．中央機器管理室のレイアウトを変更．
６ ．物品の在庫チェック表を作成し在庫管理
をおこなう．
７．機器の貸出返却方法を変更．
【結果】
・ 点検表の電子媒体への記録によりペーパレ
ス化となり作業の効率化にも繋がった．
・ 貸出返却方法を簡易化したことで借入処理
忘れが減り貸出機器の所在不明数も減少し
た．
・ 中央機器管理室を整理したことにより，清
潔不潔のエリア分けが可能となった．ま
た，物品の置き場所を明確化しさらに物品
チェックをおこなうことにより物品関係の
在庫管理も容易となった．
・ その他，委託業者の契約コストの削減や機
能評価でもオールＡ評価を取得することが
できた．
【考察】
今回，業務の見直しをおこない業務の改善
に大きく成功した．しかし，システムにおいて
Excelでは制限も多く一部にアナログな部分が
残存しているので，今後はバーコード管理や可
能であれば既製のシステムを導入し完全なデジ
タル化を目指したい．