医療機器管理2

[69] 医療ガスに係る安全管理のための臨床工学技士研修について

大西 芳明^1,2, 坂東 直紀^1,2, 小林 誠司^1,2, 緒方 良輔^1,2, 野田 康裕^1,2, 林 昌晃^1,2, 森西 啓介^1,2, 近田 優介^1,2, 大藤 純², 田中 克哉² (1.徳島大学病院 医療技術部 臨床工学技術部門, 2.徳島大学病院 ME 管理センター)

【はじめに】
厚生労働省医政局長発「医療ガスの安全管理
について（医政発0817第６号，令和２年８月17
日）」の「医療ガスに係る安全管理のための職
員研修指針」では，医療ガス安全管理委員会が
年１回程度，定期的に研修を実施することが述
べられている．
【目的】
当院ME管理センターの管理責任者（医療機
器管理責任者）は医療ガス安全管理委員長も併
任しているため，医療ガスに係る安全管理のた
めの臨床工学技士研修（院外・院内研修）も積
極的に取り組んでいる．
【方法】
医療ガスの院外研修は令和元年度から医療
ガス安全管理者講習会（医療機器センター）を
計画的に受講している．また令和３年度院内研
修はコロナ禍のため，教育研修用DVD「アウ
トレットの取り扱いと点検・酸素ボンベの取り
扱いと点検（医療機器センター）」を新たに購
入し，安全管理e-learningシステムにて，病院
教職員へ実施している（受講期間：令和３年11
月10日～令和４年３月31日）．
【結果】
令和３年12月現在，医療ガス安全管理者講習
会の受講者は18名中７名（受講率：38.8％）と
年々，受講者数を増やしている．また院内研修
会では，今回初めて確認テスト（設問：10問）
を実施し，受講者は16名（受講率：88.9%）であっ
た．
【考察】
医療ガス安全管理者講習会の受講者を増や
すことにより，新たに臨床工学技士業務として，
令和２年９月からME管理センター内の特殊医
療ガスボンベ（N2，NO，He，CO2）の一元管
理体制（日常点検業務の実施等）へ移行するこ
とができた．臨床工学技士が院内研修をサポー
トすることにより，院内の医療ガスの安全使用
および管理体制の向上に貢献している．
【まとめ】
医療ガス安全管理委員会の下，我々，臨床工
学技士が医療ガスの使用および保守管理の知識
を取得することは有用である．今後も臨床工学
技士として，安全で安心な医療ガスの環境整備
に務めていきたい．