第97回日本医療機器学会大会

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Oral presentation

トレーサビリティ

トレーサビリティ

Sat. Jun 4, 2022 10:30 AM - 11:20 AM 第4会場 (アネックスホール F204)

座長:久保田 英雄(東京医科歯科大学)

10:30 AM - 10:40 AM

[70] GS1 バーコードを用いた透析処方照合システムの開発

渡邉 研人1, 柴田 大輝1, 加藤 彩夏1, 佐藤 諒1, 丸山 航平1, 石丸 裕美1, 冨樫 紀季1, 御厨 翔太1, 大塚 隆浩1, 阿部 祥子1, 中井 歩1, 鈴木 正志2, 高澤 賢次3, 新井 真理子4 (1.独立行政法人地域医療機能推進機構 東京山手メディカルセンター 臨床工学部, 2.独立行政法人地域医療機能推進機構 東京山手メディカルセンター 腎臓内科, 3.独立行政法人地域医療機能推進機構 東京山手メディカルセンター 心臓血管外科, 4.独立行政法人地域医療機能推進機構 東京山手メディカルセンター 医療安全管理室)

【背景】
昨今の透析医療においては,標準操作を定め
たガイドラインの発出や企業努力による製品品
質の向上により,高水準の安全性が確立してい
る.しかし,ヒューマンファクター由来の医療
ミスや製品リコールは少数ながらも発生してい
るのが現状であり,安全確保に向けた取り組み
に終わりは見えない.
【目的】
慢性維持透析で使用するダイアライザおよ
び薬剤に関連した医療ミスの防止および的確な
リコール対応を可能にするシステムの開発を目
的とした.
【システム構築方法】
本システムには,ダイアライザおよび薬剤に
表記されたGS1バーコードを読み取ることによ
り,1.取り違え防止,2.ロット番号の記録
および検索,3.滅菌期限超過警告が可能とな
る機能を実装した.
はじめに,日機装社製FutureNet Web+の情
報を定期的にFileMaker Serverにインポート
して患者情報や処方に関するデータベースを構
築した.
次に,Wi-Fi経由でiPadからFileMaker Server
にアクセスし,Bluetooth接続したバーコード
リーダーでGS1バーコードを読み取ることで上
記3機能を実行できるシステムを院内ネット
ワーク内に構築した.
【システム検証方法】
2021年9月から1ヶ月間のServer間の情報
同期の正確性を検証した.また,ダイアライザ
8種類および抗凝固薬6種類のGS1バーコード
読み取り機能の整合性を評価した.
【結果】
1ヶ月間で6,485件のServer間の情報同期が
正確におこなわれた.ダイアライザおよび抗凝
固薬の上記3機能の判定は正確であった.ロッ
ト番号検索,取り違えおよび滅菌切れ警告表示
においても正しく機能することを確認した.
【結語】
FileMaker Serverへのデータ保存からGS1
バーコードの読み取り後の3機能までエラーな
く実行可能であり,安全対策として機能するシ
ステムであることが確認できた.