第97回日本医療機器学会大会

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Fri. Jun 3, 2022 3:15 PM - 3:45 PM ポスター会場 (アネックスホール フォワイエ)

[P8] 安全に洗浄装置を更新するための計画立案と実践

清河 瞳, 河野 雅江, 山本 幸代, 松本 恭子 (広島大学病院)

【はじめに】
この度,全ての大型洗浄装置を更新するにあ
たり,事前に起こりうるリスクを想定し,対応
策の立案,計画の実践,業務調整をおこなった.
その結果,更新期間中に診療へ支障をきたすこ
となく,更新後もこれまでの洗浄の質を担保す
るというミッションを果たすことができた.そ
こで,洗浄装置更新における計画および実践を
振り返り,ミッションが達成できた要因を明ら
かにする.
【計画と実践】
第1種滅菌技師が中心となり,専門的な視点
で起こりうるリスクを回避するための計画を立
案し,実践した.
1.診療へ支障をきたすリスクの回避
事前にどの洗浄装置で何の器材を洗浄して
いるのかを2ヶ月間調査し,計画を立案した.
さらに,既存の洗浄装置の使用を一部停止し,
撤去しても支障がないかを確認しながら繰り返
しシミュレーションをおこなった.洗浄時間や
洗浄量の変化は器材供給時間に影響するため,
曜日別,診療科別に優先して洗浄する器材を選
定し,更新計画を立案した.計画実施時には,
洗浄業務の遅延がないか等稼働状況を継続的に
確認した.その結果,洗浄装置更新期間中診療
に支障をきたすことなく器材を安定供給するこ
とができた.
2.洗浄不良のリスク回避
当部署で扱う器材の洗浄方法と新規洗浄装
置の機能を照合し,洗浄装置を選定すること,
洗浄装置設置時には,残留蛋白を測定し測定結
果とガイドラインの照合をおこない適正な洗浄
ができているのかを確認することを計画し実践
した.さらに,洗浄工程の調整とスタッフへの
新規洗浄装置使用方法の教育を計画し実践し
た.計画実施時には,器材ごとの適切な洗浄方
法の選定等作業工程を継続的に確認した.その
結果,洗浄装置更新後も洗浄の質を担保するこ
とができた.
【結論】
安全に洗浄装置を更新するためには,洗浄装
置更新前より洗浄時間や積載量変更による洗浄
量への影響と洗浄方法変更による洗浄の質への
影響を想定した計画を立案し実践することが重
要である.