第98回日本医療機器学会大会

Presentation information

Oral presentation

医療機器管理

医療機器管理1

Fri. Jun 30, 2023 10:20 AM - 11:10 AM 第3会場 (アネックスホール F205+F206)

座長:真下 泰(新さっぽろ病院)

10:50 AM - 11:00 AM

[11] 当院の遠隔モニタリング管理機器の現状と課題

梅垣 亮介, 松井 健, 川畑 有唯人, 奥村 大樹, 篠崎 太一, 前田 加奈, 岡本 信彦 (済生会兵庫県病院 臨床工学科)

【背景】
当院では遠隔モニタリングを活用し,在宅持続陽圧呼吸療法機器(以下CPAP)の患者の治療状況を管理し,機器の点検管理でAEDを遠隔管理している.CPAPの遠隔管理導入は4年, AEDは6年経過し,当院での遠隔管理の現状と課題を報告する.
【目的・方法】
CPAPはフィリップス社製アンコールエニウェア®, 帝人ファーマ社製ネムリンク®, RESMED社製Airview®にて遠隔管理をおこなっている.CPAPはSDカードにてデータ運用していたが,2019年に患者負担軽減や適切な診療録実現を目的として遠隔管理をおこなった.AEDは日本光電社製に機器更新したことをきっかけに,AEDリモート監視システム日本光電社製AEDLinkage®を用いて遠隔管理を開始した.
【結果】
CPAPの遠隔管理への移行は臨床工学技士とメーカと協働でおこない,特に移行で問題はなかったが,金銭面などを理由に当院CPAP使用患者のうち1割の患者において遠隔拒否する患者が発生した.現在,半導体不足などにより遠隔管理可能な機種の供給ができず,SDカードによる運用をせざるを得ない状況に直面した. AEDは日本光電社製AED 4台のうち3台が5年の保守期間が終了し,遠隔管理不可という問題が生じた.Linkage®による遠隔管理から医療機器の病棟ラウンド時にAEDの物品確認・点検を施行するという遠隔管理以前の方式に変更し,物品の使用期限の管理は,やよい社製医療機器管理システムMims2®を活用した.
【考察】
遠隔管理は患者負担の軽減やスタッフの業務改善につながるなど非常に有用なものであるが,機器によっては使用制限があり,使用不可となると従来の方式に戻さなければならない.遠隔モニタリング加算取得可能な機種は病院にとっては収益につながるが,患者にとっては金銭面での負担となる.メーカによって各種システムが異なるため,契約メーカ数によって管理システムが多くなるという問題がある.今後は人工呼吸器や酸素濃縮器などの遠隔管理もおこなっていく.