3:30 PM - 3:40 PM
[110] 植込み型心臓電気デバイス業務へのレーザ血流計応用の可能性
【背景・目的】
近年,ICDにおける不整脈検出の指標として,現在使用されている心拍数などの指標よりもレーザ血流計から得た血流量の方が優れていたとのが報告なされた.一方,このICDを含む植込み型心臓電気デバイス業務におけるデバイスの条件設定は,心電図などの電気的生体情報のみを基におこなわれており,血流量など血行動態に関連した指標は一切使用されていない.そこで,デバイス業務へのレーザ血流計の応用の可能性について検討したので報告する.
【対象・方法】
73歳,男性,洞不全症候群に対して右鎖骨下静脈から右房と右室にそれぞれリードを挿入後,ペースメーカ本体に接続し,設定はDDDの60/130とした.この術中におこなった閾値および心内波高チェックの際に,耳朶に装着したJMS社製レーザ血流計で血流量,脈動幅,脈動回数を測定し,チェックの各操作によってそれらパラメータがどのように変化するか評価した.
【結果・考察】
心室の閾値チェックの際,HR40からペーシングレート50へ上げて閾値チェックをおこなったところ,血流量と脈動幅は有意に減少した.また,ジェネレータ接続後に心房P波高値を測定する際,ペーシングレートを60から40へ下げたところ,血流量に有意な変化は認められなかったのに対し,脈動幅は有意に増加した.閾値チェックの際の血流量と脈動幅の有意な減少は,心拍数を上げることで拡張期が短くなり心室が血液で十分満たされる前に収縮が始まるため,1回拍出量が減少したものと考えられた.波高値チェックの際は,この逆のことが起こっていたと推察された.以上のことより,レーザ血流計で得られる血流量と脈動幅は心電図などの電気的な生体情報とは異なり,デバイスチェックによる循環動態への影響や,設定変更に伴う循環動態の変化をリアルタイムかつ非侵襲的に知ることができる指標と考えられた.
【まとめ】
デバイス業務へのレーザ血流計の応用は有用と考えられた.
近年,ICDにおける不整脈検出の指標として,現在使用されている心拍数などの指標よりもレーザ血流計から得た血流量の方が優れていたとのが報告なされた.一方,このICDを含む植込み型心臓電気デバイス業務におけるデバイスの条件設定は,心電図などの電気的生体情報のみを基におこなわれており,血流量など血行動態に関連した指標は一切使用されていない.そこで,デバイス業務へのレーザ血流計の応用の可能性について検討したので報告する.
【対象・方法】
73歳,男性,洞不全症候群に対して右鎖骨下静脈から右房と右室にそれぞれリードを挿入後,ペースメーカ本体に接続し,設定はDDDの60/130とした.この術中におこなった閾値および心内波高チェックの際に,耳朶に装着したJMS社製レーザ血流計で血流量,脈動幅,脈動回数を測定し,チェックの各操作によってそれらパラメータがどのように変化するか評価した.
【結果・考察】
心室の閾値チェックの際,HR40からペーシングレート50へ上げて閾値チェックをおこなったところ,血流量と脈動幅は有意に減少した.また,ジェネレータ接続後に心房P波高値を測定する際,ペーシングレートを60から40へ下げたところ,血流量に有意な変化は認められなかったのに対し,脈動幅は有意に増加した.閾値チェックの際の血流量と脈動幅の有意な減少は,心拍数を上げることで拡張期が短くなり心室が血液で十分満たされる前に収縮が始まるため,1回拍出量が減少したものと考えられた.波高値チェックの際は,この逆のことが起こっていたと推察された.以上のことより,レーザ血流計で得られる血流量と脈動幅は心電図などの電気的な生体情報とは異なり,デバイスチェックによる循環動態への影響や,設定変更に伴う循環動態の変化をリアルタイムかつ非侵襲的に知ることができる指標と考えられた.
【まとめ】
デバイス業務へのレーザ血流計の応用は有用と考えられた.