2:20 PM - 2:30 PM
[15] 洗浄評価に関わる実態調査報告(京滋滅菌業務研究会による調査報告)
洗浄や滅菌工程を管理するためには,機器の日常点検や定期点検などが基本となり,それに加え稼働性能適格性確認から得られた情報をまとめた標準作業手順書などが必要になる.限られたリソースで洗浄の質保証がどこまで実践できているか調査したので報告する.今回の調査は,京滋滅菌業務研究会の参加者に対し洗浄器の日常点検および定期点検,洗浄インジケータ, RMDの洗浄評価などについて質問した.121名から回答が得られたので報告する.日常点検は 79%が実施と回答し頻度は毎日が84%であった.21%が未実施であり,理由は複数回答で時間がない36%,人手不足23%,方法が分からない21%であった.定期点検は65%が実施と回答し頻度は年1回が67%であった.35%が未実施であり,理由で最も多かったのは予算の捻出が困難62%であった.洗浄インジケータは76%が使用していると回答し頻度は1日1回が49%,毎工程が32%であった.23%が未使用であり,理由は複数回答で予算の捻出困難が63%,採用予定が11%,別の方法でモニタリングが4%であった,RMDの洗浄評価は41%が実施と回答し,評価方法は複数回答で染色法が50%,抽出法が31%,拭き取り法が13%であった.59%が未実施であり,理由は複数回答で予算の捻出困難が35%,時間がないが19%,具体的方法が分からないが13%であった.洗浄評価の課題について,複数回答でマスター製品の選定が27%,時間の確保が16%などであった.今回の調査は回答率を得るため質問を最小限に抑え,標準作業手順書やリリース基準などの詳細は触れなかったが,洗浄の質保証で課題となっているのは,ヒト・カネ・モノであることが確認できた.洗浄の質保証を実現するためには,企業側から病院に対して適切な啓発活動,地域研究会から施設での具体的な取り組みを発信し共有する機会なども重要であると考える.