第98回日本医療機器学会大会

Presentation information

Oral presentation

洗浄

洗浄2

Fri. Jun 30, 2023 2:00 PM - 3:00 PM 第3会場 (アネックスホール F205+F206)

座長:松山 利秋(産業医科大学)

2:40 PM - 2:50 PM

[17] WDの稼働性能適格性確認における洗浄効果試験を経験して

藤田 敏1, 中山 宜彦2, 野田 稔2,3, 酒井 義信2,3, 野出 孝一3 (1.クリーンケミカル㈱技術部, 2.クリーンケミカル㈱営業部, 3.佐賀大学医学部附属病院 ME センター, 4.佐賀大学医学部附属病院 材料部)

【背景】
医療現場における滅菌保証のガイドラインが改訂され,すべての医療施設で洗浄器のバリデーションの実施が求められている.製品ファミリーの設定やマスター製品の選定方法について記載されているが,現場での具体的な実施方法や注意点などについての情報がなく,医療施設毎に材料部のレイアウトやRMDの処理方法が異なるため,実施するにあたり様々なことを医療施設毎に考えなければならず,実際に開始するまでに時間を要する.
【目的】
医療施設と共同で,WDのPQにおける臨床使用RMDの洗浄評価を実施する機会を得たので,具体的な実施手順や工夫した点と評価結果について報告する.
【方法】
製品ファミリーとマスター製品の選定については,実際のRMDの洗浄手順を確認し,返却されるRMDの汚染状況を観察した上で,医療施設と協議の上決定をした.評価対象の RMDに結束帯をつけ,熱水消毒前で終了するプログラムで洗浄し,対象RMDだけを取り出して現場にてガイドラインに準拠した方法で残留蛋白質を抽出し,OPA変法で定量をおこなった.
【結果】
WDで洗浄する鋼製小物類は,材質により2つの洗浄プログラムで洗浄をおこなっており,手術支援ロボット鉗子は,専用のWDラックと洗浄プログラムであるため,合計3種の製品ファミリーとした.鋼製小物類のマスター製品は,浸漬洗浄だけでは十分除去ができないボックスロック部に血液汚染量が多く付着している持針器や鉗子を選定した.熱水消毒前で終了するプログラムで洗浄するため,評価対象 RMD以外は消毒工程をおこなわなければならず,ラックをもう一度汚染エリアに運ぶことに人手と時間を要した.また,洗浄後に評価対象 RMDをセット組みから抜くことになるため,ストックから同じRMDを補填することで,通常業務の流れを止めずに実施することができた.残留蛋白質の定量をおこなったRMDは,持針器鉗子類28本と手術支援ロボット鉗子2本で,全て200μg/RMD未満であった.