10:40 AM - 10:50 AM
[39] モノフィラメントを用いた足底感覚検査の加齢の影響に関する一考察
【緒言】
感覚知覚検査で広く用いられているモノフィラメント法は,これまでの研究報告でヒト起因(検査者の徒手動作の違い)やモノ起因(物理特性)によって検査結果にばらつきがあることが示されている.さらに,本検査手法では,被検査者(患者など)の特徴(加齢による影響や皮膚表面による影響)などによって検査結果に与える影響なども考えられる.本報告では,皮膚感覚の感覚検査における現場での情報共有に向けての基礎的な知見として,健康な青壮年者と老年者を対象とした足底皮膚感覚の評価をおこない,加齢や皮膚の特徴による影響を考察した.
【対象と方法】
実験では,研究対象者(青壮年者10名,老年者10名)の足底部の皮膚の硬さの基礎データの計測をおこなった.その後,研究対象者の足底部(5部位)に対し,モノフィラメントを用いた感覚閾値計測をおこなった.本実験に先立ち,既往歴や原疾患,そしてアキレス腱反射などの調査をおこない,実験条件に該当しない被験者4名(老年男女各2名)については,分析段階で除外した.そして,本計測結果である皮膚の硬さ,そしてモノフィラメントによる感覚閾値については,等分散性の分析の後,Kruskal Wallis法による多重比較検定をおこない,年齢因子(青壮年期,老年期の2水準)による統計検定をおこなった.
【結果】
得られた結果から,研究対象者の皮膚の硬さについては,年齢因子による違いは見られなかった.他方感覚閾値については,母趾と小趾などの遠位な位置については有意な差が見られたものの,近位な位置(踵)については有意な差は見られなかった.
【結言】
本研究で得られた結果から,加齢に伴う皮膚の硬さについては有意な差が見られず,またモノフィラメント法を用いた感覚閾値に対する影響が見られなかった.今後,モノフィラメント法の特徴や検査時に影響を受ける要因などをまとめ,本検査手法の有効な検査手法のガイドライン化を検討していく予定である.
感覚知覚検査で広く用いられているモノフィラメント法は,これまでの研究報告でヒト起因(検査者の徒手動作の違い)やモノ起因(物理特性)によって検査結果にばらつきがあることが示されている.さらに,本検査手法では,被検査者(患者など)の特徴(加齢による影響や皮膚表面による影響)などによって検査結果に与える影響なども考えられる.本報告では,皮膚感覚の感覚検査における現場での情報共有に向けての基礎的な知見として,健康な青壮年者と老年者を対象とした足底皮膚感覚の評価をおこない,加齢や皮膚の特徴による影響を考察した.
【対象と方法】
実験では,研究対象者(青壮年者10名,老年者10名)の足底部の皮膚の硬さの基礎データの計測をおこなった.その後,研究対象者の足底部(5部位)に対し,モノフィラメントを用いた感覚閾値計測をおこなった.本実験に先立ち,既往歴や原疾患,そしてアキレス腱反射などの調査をおこない,実験条件に該当しない被験者4名(老年男女各2名)については,分析段階で除外した.そして,本計測結果である皮膚の硬さ,そしてモノフィラメントによる感覚閾値については,等分散性の分析の後,Kruskal Wallis法による多重比較検定をおこない,年齢因子(青壮年期,老年期の2水準)による統計検定をおこなった.
【結果】
得られた結果から,研究対象者の皮膚の硬さについては,年齢因子による違いは見られなかった.他方感覚閾値については,母趾と小趾などの遠位な位置については有意な差が見られたものの,近位な位置(踵)については有意な差は見られなかった.
【結言】
本研究で得られた結果から,加齢に伴う皮膚の硬さについては有意な差が見られず,またモノフィラメント法を用いた感覚閾値に対する影響が見られなかった.今後,モノフィラメント法の特徴や検査時に影響を受ける要因などをまとめ,本検査手法の有効な検査手法のガイドライン化を検討していく予定である.