第98回日本医療機器学会大会

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Oral presentation

医療安全対策

医療安全対策1

Fri. Jun 30, 2023 2:00 PM - 3:00 PM 第4会場 (アネックスホール F204)

座長:瀬戸口 秀一(佐賀大学)

2:20 PM - 2:30 PM

[45] 心電図モニタ管理改善の学習的取り組みによって得た病棟看護師の現状と課題

西崎 啓子 (地方独立行政法人岐阜県立多治見病院)

【はじめに】
呼吸・心臓が停止していたにも関わらず,心電図モニタの波形が出ていなかったことに気が付かなかったアクシデントが発生したため,日本医療機器学会集録の文献に沿って学習的な取り組みをおこない,病棟看護師の心電図モニタ管理における現状と課題の抽出を試みた.
【方法】
文献内容をポスターにしてスタッフに伝え,アンケートをおこなった.
【結果】
常時確認できる状態ではなく,日常的に複数のアラームが作動し,危機意識が低くなり,接続外れや電源切れに気が付かないことが多い現状であった.対策は「ナースステーションに1名待機できる体制を作る」「PHS連動機器の導入」「アラームの無駄鳴りを減らす」「定期的にアラーム設定を見直す」「機器の移動後,速やかにコンセントのダブルチェック」「設定や表示に疑問があるときはMEに早期に相談」「担当者の手が離せない時は他の看護師に確認を依頼する」「全画面用のアラームを中断しない」「ナースステーションに戻ったらモニタ確認」
「定期的にモニタを確認できる仕組み作り」が多く挙げられ,行動変容への自覚が高いことも伺えた.
【考察】
連携がスムーズにおこなわれるためには,心理的安全性を基にした,チームを超えて声を掛けやすい病棟の風土つくりが必要である.モニタ移動は緊急対応時が多いため,対応が一旦落ち着いたときに改めて確認し,スタッフ間で電源確認について声を掛け合う必要がある.今回選択された回答を,病棟目標の参考にすると行動変容の向上に繋がると考える.
【課題】
1.アラームの無駄鳴りを減らす対策と,スタッフ間の連携の継続.2.電源確認する行動の定着化と継続化.3.今回改善策として選択された回答を,今後の病棟・医療安全の目標の参考にし,行動変容の向上に繋げる.4.心理的安全性を育てる病棟の風土作り.5.人員不足の組織に沿った学習方法の模索.