4:30 PM - 4:40 PM
[52] 腹腔鏡下大腸癌手術における外視鏡I C G 蛍光法の可能性
内視鏡下ICG(Indocyanine green)蛍光法は,腹腔鏡下大腸癌手術における血流評価の有用性が報告されており,当院でも高齢者の体腔外縫合において医師が視覚的に血流評価をおこない,腸管の吻合予定部を決定している.しかし,当院所有の内視鏡ICG蛍光法で観察できる内視鏡は3セットしかなく,予定外の手術では内視鏡ICG蛍光法による血流評価ができない症例も存在する.当院では2021年よりICG血管撮影搭載の外視鏡を導入し,脳神経外科手術で使用している.外視鏡ICG血管撮影は内視鏡ICG蛍光法と同様にICGを投与しその波長を赤外線で可視化することで血行循環動態を把握することができる.今回,我々はICG内視鏡のセット不足に対して,外視鏡によるICG蛍光法を提案し,7例の腹腔鏡下大腸癌手術において内視鏡と外視鏡それぞれのICG蛍光法の視認性による残存血流を観察した.内視鏡と外視鏡の視認性に有意差はなく,全症例において安全性・有効性を確認することができた.外視鏡によるICG蛍光法も十分に内視鏡ICG蛍光法の代用方法になり,手術手技の補助と精度向上に貢献すると考えられた.外視鏡ICG蛍光法の利点や難点について考察を交えて報告する.