第98回日本医療機器学会大会

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Oral presentation

電磁環境・電波管理

電磁環境・電波管理

Sat. Jul 1, 2023 9:50 AM - 10:30 AM 第2会場 (アネックスホール F203)

座長:吉岡 淳(仙台赤十字病院)

10:10 AM - 10:20 AM

[62] 無線LANの電波環境調査

石丸 茂秀, 灘吉 進也, 山崎 裕太 (戸畑共立病院 臨床工学科)

【目的】
近年,コロナ禍の影響で,オンライン面会や会議などが急速に普及し,無線LANを導入する施設が増加している.現在,当院の無線 LANの管理として,院内無線チャネルの把握,無線LAN本体の点検guestWi-Fiを導入している.無線LANが普及する一方で,トラブル事例も多く報告されている.医療機関において安心・安全に電波を利用するための手引き(改定版)の中に無線LANの電波環境調査の点検方法が明記されているが,その実態は不明である.院内の無線LANの環境把握は,有益な基礎情報となることから今回,無線LANの電波環境調査を実施した.
【方法】
無償アプリケーションソフトウェアWi-Fi analyzerを使用し,測定地点,時刻を設定し,ネットワーク強度を計測した.25回計測した.検出されたネットワークより,当院管理の Wi-Fiを院内Wi-Fi,当院管理外のWi-Fiを院外 Wi-Fiに分類した.
【結果】
ネットワーク総数1,607件,内訳として院内 Wi-Fi 656件,院外Wi-Fi 951件.内持ち込みが疑われるネットワークは17件であった.ネットワーク強度は,院内Wi-Fi-73.7dB,院外Wi-Fi- 77.3dBであった.
【考察】
当院は,住宅街や大学に隣接しており,継続したネットワークが検出された.また,ネットワーク強度も高いことから,院外Wi-Fiによる電波干渉のトラブルの可能性が示唆された.検出された持ち込みWi-Fi については,患者および非常勤医師の可能性がある.現状,資料配布や院内Wi-Fiの使用案内をおこなっているが,それらが不十分であることから入院案内や職員教育の見直しが必要である.今後もWi-Fi analyzerを活用し,院外Wi-Fiによる電波干渉の可能性について注視していく.