10:40 AM - 10:50 AM
[73] 使用済みマイクロファイバークロスのリユースに向けた再処理方法の検証
【背景】
歯科処置では,標準予防策に基づき個人防護具としてゴーグルを使用する.そのリユース時には極細繊維中に汚染物を取り込み,再汚染が起きにくいマイクロファイバークロス(東レ社製マイクロファイバークロス「Toraysee for CE®」:以下MFC)を用いるが,再付着防止のための適切な再生処理方法を検証した.
【材料および方法】
エアーアブレージョンと超音波スケーリングで使用した20症例分のユニバット社製セーフティアイウェアMODEL50のレンズ部分を左右に分け,水道水で湿潤したMFCで拭き取った.左側は洗浄せず初期汚染とし,右側はモリタ製中性酵素洗剤ウルトラクレンザイムを指定濃度に希釈・調製し15分間の浸漬,1分間のもみ洗い,流水下での1分間のすすぎをおこない評価対象とした.評価指数は,唾液や血液などの汚染物と平均粒子径25µmのグリシンパウダー混濁液の混合物とし,洗浄評価は,OPA法にてクリーンケミカル㈱で実施した.
【結果】
左側 の 初 期 汚染量 の 平 均 値 は1669.5± 1474.6µg/検体で,右側は57.5±69.0µ g/検体であった.洗剤残留による偽陽性を考慮し,拭き取りをおこなわずに再生処理をおこなっただけのサンプル(ネガティブコントロール)を14検体洗浄評価した結果,平均値は45.1±26.1/検体であった.
【考察】
再生処理後とネガティブコントロールの値に対し,有意水準5%未満でMann– WhitneyU検定を行った結果,有意差は認められなかったため,口腔内から飛散した汚染物は除去できたと判断し,今回の再生処理方法は妥当と考えられた.
【結語】
コスト削減や廃棄物量減少というSDGsの観点から,医療用器材のリユースが求められる.本検証によりMFCによる汚染物のキャッチ&リリースが確認でき,医療安全への取り組みの一助として,MFCが有効であることが確認された.
歯科処置では,標準予防策に基づき個人防護具としてゴーグルを使用する.そのリユース時には極細繊維中に汚染物を取り込み,再汚染が起きにくいマイクロファイバークロス(東レ社製マイクロファイバークロス「Toraysee for CE®」:以下MFC)を用いるが,再付着防止のための適切な再生処理方法を検証した.
【材料および方法】
エアーアブレージョンと超音波スケーリングで使用した20症例分のユニバット社製セーフティアイウェアMODEL50のレンズ部分を左右に分け,水道水で湿潤したMFCで拭き取った.左側は洗浄せず初期汚染とし,右側はモリタ製中性酵素洗剤ウルトラクレンザイムを指定濃度に希釈・調製し15分間の浸漬,1分間のもみ洗い,流水下での1分間のすすぎをおこない評価対象とした.評価指数は,唾液や血液などの汚染物と平均粒子径25µmのグリシンパウダー混濁液の混合物とし,洗浄評価は,OPA法にてクリーンケミカル㈱で実施した.
【結果】
左側 の 初 期 汚染量 の 平 均 値 は1669.5± 1474.6µg/検体で,右側は57.5±69.0µ g/検体であった.洗剤残留による偽陽性を考慮し,拭き取りをおこなわずに再生処理をおこなっただけのサンプル(ネガティブコントロール)を14検体洗浄評価した結果,平均値は45.1±26.1/検体であった.
【考察】
再生処理後とネガティブコントロールの値に対し,有意水準5%未満でMann– WhitneyU検定を行った結果,有意差は認められなかったため,口腔内から飛散した汚染物は除去できたと判断し,今回の再生処理方法は妥当と考えられた.
【結語】
コスト削減や廃棄物量減少というSDGsの観点から,医療用器材のリユースが求められる.本検証によりMFCによる汚染物のキャッチ&リリースが確認でき,医療安全への取り組みの一助として,MFCが有効であることが確認された.