第98回日本医療機器学会大会

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Oral presentation

滅菌

滅菌2

Sat. Jul 1, 2023 11:00 AM - 11:50 AM 第3会場 (アネックスホール F205+F206)

座長:橋本 素乃(東京医科歯科大学)

11:20 AM - 11:30 AM

[76] 期限切れ器材を定量的に評価する試み

大山 剛, 間平 珠美, 村越 智, 深柄 和彦 (東京大学医学部附属病院 材料管理部)

【目的】
一口に器材の「期限切れ」といっても,どれくらいの期間を切っているかは,数日から数ヶ月まで幅がある.期限切れを少なくするための基礎資料として,何点の器材がどれくらい期限を切っているか調査する.
【方法】
院内共通で使用する,材料管理部が管理する器材を対象とした.2022年3月7日(月)から3月18日(金)の2週間に「期限切れ器材」として材料管理部に送られてきた計123点について,期限を切ってから何日後に搬送されてきたか,その日数,および器材の種類を記録した.土日を挟む等のタイムラグを考慮し,日数を4ごと,あるいは8ごとにまとめた11のカテゴリーを設定し,サンプルを分類した.
【結果】
最もサンプル数が多かったのは0~3日のカテゴリーで,52%(64点)を占めた.次に多かったカテゴリーは4~7日のカテゴリーで9%(11点),その次は-1~-4日のカテゴリーで7%(9点)だった.最大値は412日,最小値は-34日だった.平均値は8.9日,中央値は2日,最頻値は1日で,28点だった.
また,器材の種類別に見ると,開口器が最も多く33点(26.8%),次に多かったのはマギール鉗子で25点(20.3%)だった.
【考察】
期限が切れた後も長期間,部署に保管されている滅菌物や,期限切れより1ヶ月ほど前に期限切れとして送られてくる滅菌物が多い.これらは期限切れ器材の31%に及ぶため,その削減が課題である.種類別にみて示唆されるのは,開口器やマギール鉗子など,救急カートに載せられている器材が多かったことである.本研究により,救急カートの物品管理のあり方を改善することに役立てられる.