第98回日本医療機器学会大会

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Oral presentation

医療安全対策

医療安全対策2

Sat. Jul 1, 2023 2:00 PM - 2:50 PM 第3会場 (アネックスホール F205+F206)

座長:生田 義浩(熊本大学)

2:10 PM - 2:20 PM

[80] インシデント再発防止にむけた取り組み

橋本 素乃1, 足立 沢実1, 青﨑 宜子1, 大塚 有紗1, 岡田 紗英1, 田中 美香1, 久保田 英雄1, 久保木 修2 (1.東京医科歯科大学病院 材料部, 2.スリーエム ジャパン㈱医療用製品事業部)

当院材料部では2021年から委託職員に向けた医療安全研修の開催,インシデントレポート入力フォームの改訂,インシデントレベルの設定を実施し,医療安全に取り組んでいる.しかし,インシデント再発防止に十分取り組めているとは言い難い.そこで,病院職員と委託職員が共同で課題解決に取り組むため「インシデント検討会(以下検討会)」を設置した.インシデント対策を実効性のあるものにするため, WEBフォーム化したインシデントレポートの再構築をおこない,継続して原因分析,対策立案を進めるとともに,実施した取り組みの評価をおこなった.評価期間は2020年4月~ 2023年1月の間で,評価のタイミングは医療安全への取り組み前,入力フォーム導入,検討会開催,進捗表作成,検討会運用変更とした.評価項目は,レポート提出状況,記載者などを設定し,取り組み前後での委託業者のインシデント対策に対する対策実行の違いについて,ラウンド結果を合わせて評価をおこなった.インシデント検討会は,病院職員2~6名,委託職員3~5名が参加し,週1回30分,WEBミーティングで開始した.検討会開始直後は,対策の実行率が低かったため,進捗表を用意することで可視化し,共有できるようにした.その後,検討会で取り上げない事例の原因・対策レポートの提出が滞っていたことや,検討会実施後のアンケート結果より,検討会の運営を変更した.その結果,提出期限の短縮やインシデント当事者記載率の上昇など,改善が見られた.また,対策内容は検討会での意見交換にて調整し,ラウンドの実施にて対策実行率の上昇がみられた.病院職員が委託職員と共同し,継続的に働きかけることでインシデント再発防止に向けた一定の効果が得られることが分かった.今後はこれらの取り組みによって,インシデントの再発減少などの評価,委託職員の医療安全に対する意識変化の評価が必要と考える.