第98回日本医療機器学会大会

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Oral presentation

滅菌

滅菌3

Sat. Jul 1, 2023 3:00 PM - 3:50 PM 第3会場 (アネックスホール F205+F206)

座長:谷口 優樹(東京大学)

3:40 PM - 3:50 PM

[88] タブレットを用いた迅速,簡便かつ効果的な積載記録システムの構築

門脇 侑未, 村田 卓也, 大町 智之, 廣橋 愛美, 伏見 了 (ワタキューセイモア㈱メディカル営業本部 請負事業部)

【背景と目的】
滅菌供給部門では多種多様な再使用可能医療機器(RMD)に対し滅菌保証が求められており,「医療現場における滅菌保証のガイドライン2021」にも各工程の適切な記録と保管が定められている.積載記録は,一般的な紙面運用を採用している病院が多い.但し,作業者に依存した積載記録の作成,紙面(3年間保管/ EOGのみ30年間保管)の保管スペース確保や経年劣化などの問題も存在している.今回我々は,入力の簡易化と検索機能,保管状況の改善など紙面運用では実現できなかったことを目的としたタブレットの活用にて迅速,簡便かつ効果的な積載記録システムを構築したので報告する.
【方法】
Apple社のiPad( タブレット) を採用し, Claris社のFileMaker(ソフトウェア)を用いた.紙面運用と変更はなく,器材名称や数量,滅菌判定結果等の積載記録必須項目を入力できる構成にしているが,前提条件として病院毎の器材マスタを整備しておく必要がある.器材名称の入力は,器材マスタから検索入力をおこない,キーボード入力やドロップダウンリストからの入力もおこなえる仕様となっている.また,器材マスタに滅菌方法や滅菌プログラムを登録しておくことで,滅菌器の選択ミス時には誤滅菌防止のアラート機能などを装備した.滅菌判定結果の各種インジケータについてはタブレット搭載のカメラで撮影し,写真データとして保存する.
【結果】
紙面運用と比較して,簡便かつ効果的で作業者に依存しない積載記録の作成が可能になった.また,器材マスタから入力制限をおこなっていることで,アラート機能も充実し,事故やミス防止に繋がると考えられる.
【考察】
日々の蓄積データをCSV出力することで,実績の解析が可能となり,器材定数や使用頻度の算出など病院へ提案できる根拠数字も迅速に提出することが可能であると考える.システムの有効性をもって,今後はラベルシール発行機能を活かした簡易的な管理システムの展開を検討している.