4:40 PM - 4:50 PM
[93] 腕帯の短時間で正確な点検方法の検討および不良腕帯による血圧測定への影響評価
【緒言】
非観血的血圧計の故障は腕帯の穴あきが多く,使用前に腕帯の点検を重点的におこなう必要がある.しかし,ガイドラインが示す点検方 法(以下GL点検)の判断は点検者の主観となる.また,腕帯に穴がある場合,血圧測定値に誤差が生じる可能性があるが十分に検討されていない.そこで,腕帯の点検方法の検討および,腕帯に穴がある場合の測定への影響を評価した.
【方法】
被験者は8人とし,自動血圧計付き生体情報モニタを用いた.腕帯は穴なし(0mm),穴あき(0.5・0.7・0.8mm),位置は送気チューブ接続部と腕帯中央部の2種とし,計7種を使用した.点検方法はGL点検,被験者自身の血圧測定で判断する手動点検,非観血式血圧計腕帯空気漏れ検出機EmoraⓇを用いるSpeed点検と Fine点検の2種モードの計4方法とした.評価方法は腕帯良否の正答割合と点検時間とした.また,各腕帯で血圧を測定し,血圧値は穴なし腕帯との差を比較した.点検時間と測定時間の検定にSteel法を適応し,p<0.05を有意差ありとした.
【結果】
腕帯良否の正答割合はFine点検が89.3%と最も高かった.点検時間はGL点検と手動点検(p<0.01),Speed点検(p<0.01) の間で有意差が認められた.穴なし腕帯と穴あり腕帯での血圧値差は最大14.6mmHgであった.測定時間は 0mmよりも腕帯中央0.7mmで延長し有意差が認められた(p<0.01).
【考察】
本研究では,故障の多い腕帯に着目したが, EmoraⓇを用いた腕帯の使用前点検と本体を確認する定期点検との組み合わせで血圧計の精度向上が見込める.血圧測定値の差が大きいと信頼性が下がり,診断に影響を与える可能性があると考えられる.さらに,血圧測定時間の延長は患者に苦痛を与えるため,使用前点検の実施は必要であると改めて示された.
【結語】
EmoraⓇを用いた点検はGL点検と同等の正当割合であり,点検時間は短かった.腕帯に穴あきがある場合,血圧測定値および測定時間に影響を与えた.
非観血的血圧計の故障は腕帯の穴あきが多く,使用前に腕帯の点検を重点的におこなう必要がある.しかし,ガイドラインが示す点検方 法(以下GL点検)の判断は点検者の主観となる.また,腕帯に穴がある場合,血圧測定値に誤差が生じる可能性があるが十分に検討されていない.そこで,腕帯の点検方法の検討および,腕帯に穴がある場合の測定への影響を評価した.
【方法】
被験者は8人とし,自動血圧計付き生体情報モニタを用いた.腕帯は穴なし(0mm),穴あき(0.5・0.7・0.8mm),位置は送気チューブ接続部と腕帯中央部の2種とし,計7種を使用した.点検方法はGL点検,被験者自身の血圧測定で判断する手動点検,非観血式血圧計腕帯空気漏れ検出機EmoraⓇを用いるSpeed点検と Fine点検の2種モードの計4方法とした.評価方法は腕帯良否の正答割合と点検時間とした.また,各腕帯で血圧を測定し,血圧値は穴なし腕帯との差を比較した.点検時間と測定時間の検定にSteel法を適応し,p<0.05を有意差ありとした.
【結果】
腕帯良否の正答割合はFine点検が89.3%と最も高かった.点検時間はGL点検と手動点検(p<0.01),Speed点検(p<0.01) の間で有意差が認められた.穴なし腕帯と穴あり腕帯での血圧値差は最大14.6mmHgであった.測定時間は 0mmよりも腕帯中央0.7mmで延長し有意差が認められた(p<0.01).
【考察】
本研究では,故障の多い腕帯に着目したが, EmoraⓇを用いた腕帯の使用前点検と本体を確認する定期点検との組み合わせで血圧計の精度向上が見込める.血圧測定値の差が大きいと信頼性が下がり,診断に影響を与える可能性があると考えられる.さらに,血圧測定時間の延長は患者に苦痛を与えるため,使用前点検の実施は必要であると改めて示された.
【結語】
EmoraⓇを用いた点検はGL点検と同等の正当割合であり,点検時間は短かった.腕帯に穴あきがある場合,血圧測定値および測定時間に影響を与えた.