パネルディスカッション6 ヒューマンエラー対策を考える

[パネルディスカッション6] 医療機器管理システムの導入で防げるヒューマンエラー

田中 聖人 (京都第二赤十字病院 消化器内科)

DX（デジタル・トランスフォーメーション）という言葉が使われるようになった。DXとは、「ITの普及、活用により、人々の生活を良い方向に変化させる」という概念・仮説である。コロナ禍を背景に我々の暮らしは通信技術やITの活用に向け、大きく舵を切ったといえる。医療においても「医師の働き方改革」に向け、タスクシフト、タスクシェアの議論がなされているが、業務を引き受けるコメディカル、特に看護師の業務こそデジタルを活用し、効率化や質の向上をめざすべきである。当院では、ITに対応したシリンジポンプ、通称スマートポンプを採用し、投薬記録の自動化をすすめている。機器導入から現在までの継続的な運用改善の事例を通じ、IT活用の実際、多職種の関わりを紹介したい。ITの導入により看護師らの業務が効率化したのか、記録の質が向上したか、についても当院の経験として紹介したい。