医療機器管理1

[T12] クラウド型医療機器管理システムHITOTSU がもたらす業務・経営改善のインパクト

田村 光希, 佐藤 公彦 (HITOTSU ㈱)

【背景と目的】
近年，医療の高度化および働き方改革が進み，臨床工学技士（以下CE）による医療機器管理業務の質向上と効率化が求められている．一方，医療機関の経営環境は厳しく，各施設で収支改善は喫緊の課題である．総合病院における臨床業務経験を持つCEが起業した弊社は「医療にかかわる人々を，ひとつに．」という経営理念の下，業務の質向上および効率化，さらに医療機関の経営改善に寄与する医療機器管理システム「HITOTSU」を開発した．
【業務改善機能】
［1］多数のCEの実体験を基にUI／UXを磨き込み，機器の詳細管理から点検，修理，貸出・返却までスムーズかつ緻密におこなう環境を提供．医療監視などにも対応している．
［2］機器の安全使用に向けた研修の重要性に着目し，研修機能を充実．研修内容から参加者名簿まで，研修履歴を機器に紐づけて一元管理する．
［3］金融業界の基幹システム開発経験を持つ開発責任者の下，最新鋭のセキュリティを実装．さらに顧客から改善要望を常に収集し，週次で機能改善を実施している．
【経営改善機能】
［4］CEだけでなく調達・用度担当の事務職員， SPDなどのオペレーションを一元化し，部署間による業務の重複や手待ちを解消．
［5］貸出率や故障率等，機器の運用・管理に加え，購買・廃棄も含めたライフサイクル全般のコストを可視化．各施設のデータをクラウドを介して弊社へ集約し，匿名化・分析した結果を各施設に提供する．それにより，各施設が機器・装置関連のコスト削減に向けた課題を明確化し，対策を講じる一助になる．
【結語】
クラウドの強みを活かしたHITOTSUは，医療機器管理業務の質向上および効率化はもちろん，コスト可視化を通じて経営改善のベストプラクティスを見出すことで，日本の医療機関の経営を多角的に支援する．