10:50 AM - 11:00 AM
[10] 人工呼吸器回路の種類変更後に「回路リーク」警報が頻発した事例の検証
【背景】
人工呼吸器トリロジー 100plus(Philips社)のリコールに伴い,当院では2023年3月よりトリロジー Evo(Philips社)の導入を開始した.
【事例】
トリロジー Evoと呼吸回路アクティブディスポ回路(Philips社,以下Philips回路)の構成だったが,呼吸回路の供給が途絶えたことを理由に, ISディスポ回路アクティブ(Intersurgical社,以下Intersurgical回路)へ変更した.この構成で呼吸管理する患者1名で,変更前まで発生していなかった回路リーク警報が頻発した.患者が原因となり得る要素を除外し,呼吸回路の交換をおこなうも改善しなかった.呼吸回路はそのままに,人工呼吸器を交換することで警報の頻度は減少した.なお,メーカからの回答は演題登録時点で得られていない.
【検証】
本事例の原因を特定するために,警報が頻発したトリロジー Evo( 以下Evo-a),Evo-aとシリアルナンバーが異なるトリロジー Evo(以下Evo-b)をテスト肺で検証した.人工呼吸器設定を本事例と同一にして,Philips回路とIntersurgical回路を用いた時の警報発生の有無,気道内圧・一回換気量・吸気フロー・呼吸回数をフローアナライザPF-301(IMT Analytics社)で30分間測定した.
【結果】
Evo-aとEvo-bはいずれの呼吸回路でも警報は発生しなかった.Evo-bは呼吸回路間で測定項目に差はみられなかったが,Evo-aは Intersurgical回路で吸気フローがPhilips回路より有意に大きかった.Intersurgical回路を用いた時,Evo-aとEvo-b間で吸気フローに有意差があった.
【結論】
本事例について検証したが,原因の特定には至らなかった.警報は人工呼吸器の個体差によって,直接的もしくは間接的に吸気フローが増減したために,頻発した可能性は否定できない.
人工呼吸器トリロジー 100plus(Philips社)のリコールに伴い,当院では2023年3月よりトリロジー Evo(Philips社)の導入を開始した.
【事例】
トリロジー Evoと呼吸回路アクティブディスポ回路(Philips社,以下Philips回路)の構成だったが,呼吸回路の供給が途絶えたことを理由に, ISディスポ回路アクティブ(Intersurgical社,以下Intersurgical回路)へ変更した.この構成で呼吸管理する患者1名で,変更前まで発生していなかった回路リーク警報が頻発した.患者が原因となり得る要素を除外し,呼吸回路の交換をおこなうも改善しなかった.呼吸回路はそのままに,人工呼吸器を交換することで警報の頻度は減少した.なお,メーカからの回答は演題登録時点で得られていない.
【検証】
本事例の原因を特定するために,警報が頻発したトリロジー Evo( 以下Evo-a),Evo-aとシリアルナンバーが異なるトリロジー Evo(以下Evo-b)をテスト肺で検証した.人工呼吸器設定を本事例と同一にして,Philips回路とIntersurgical回路を用いた時の警報発生の有無,気道内圧・一回換気量・吸気フロー・呼吸回数をフローアナライザPF-301(IMT Analytics社)で30分間測定した.
【結果】
Evo-aとEvo-bはいずれの呼吸回路でも警報は発生しなかった.Evo-bは呼吸回路間で測定項目に差はみられなかったが,Evo-aは Intersurgical回路で吸気フローがPhilips回路より有意に大きかった.Intersurgical回路を用いた時,Evo-aとEvo-b間で吸気フローに有意差があった.
【結論】
本事例について検証したが,原因の特定には至らなかった.警報は人工呼吸器の個体差によって,直接的もしくは間接的に吸気フローが増減したために,頻発した可能性は否定できない.