11:20 AM - 11:30 AM
[13] 在宅人工呼吸器における回路が及ぼす換気量への影響
【背景】
Philips社製トリロジー Evoシリーズ(以下トリロジー Evo)は回路キャリブレーション(以下回路測定)機能を有し,呼吸器回路の抵抗およびコンプライアンス補正が可能である.しかし,回路測定後の各回路が及ぼす換気量への影響は明確になっていない.
【目的】
トリロジー Evoの回路測定機能で補正した異なる呼吸器回路を使用し,回路の違いによる換気量の差を明らかにすることを研究目的とした.
【方法】
人工呼吸器はトリロジー Evo,回路は人工鼻リーク回路としてIntersurgical社( 以下IS社)製ISディスポ回路パッシブ(以下A)と Trilogyパッシブディスポ回路(以下B),熱線付き加温加湿器リーク回路としてIS社製ISディスポ回路パッシブHW(以下C)とエンベット HW呼吸回路チャンバ付き(以下D)を使用した.Vt:500mL,PEEP:5hPa,RR:10回を設定とし,IMT Analytics社製フローアナライザCITREX H5とPC解析ソフトFlowLabを用いて,200呼吸サイクルをサンプルサイズとして測定した.統計解析はR version 4.3.2を用いて分析した.
【結果】
Aの換気量は555.3±1.5ml(Mean±SD) であった.Bの換気量は493.6±2.6mlであった. 2つの人工鼻回路の換気量の差についてt検定をおこなったところ,有意な差が認められた(P<0.01).Cの換気量は550.5±1.3mlであった. Dの換気量は498.0±2.6mlであった.2つのHW回路の換気量の差についてt検定をおこなったところ,有意な差が認められた(P<0.01).IS社製回路の換気量は設定値から+10%以上の誤差が生じた.
【考察】
各回路群で有意差が認められ,IS社製回路で誤差が生じたのは回路測定外の要因が考えられる.A,CとB,Dの相違点として呼気ポートがあり,換気量誤差に影響している可能性が示唆される.
【結論】
回路測定後の回路の違いによる一回換気量の差異が明らかとなった.より正確な換気量が必要な症例に関しては呼吸器回路の選択も重要である.
Philips社製トリロジー Evoシリーズ(以下トリロジー Evo)は回路キャリブレーション(以下回路測定)機能を有し,呼吸器回路の抵抗およびコンプライアンス補正が可能である.しかし,回路測定後の各回路が及ぼす換気量への影響は明確になっていない.
【目的】
トリロジー Evoの回路測定機能で補正した異なる呼吸器回路を使用し,回路の違いによる換気量の差を明らかにすることを研究目的とした.
【方法】
人工呼吸器はトリロジー Evo,回路は人工鼻リーク回路としてIntersurgical社( 以下IS社)製ISディスポ回路パッシブ(以下A)と Trilogyパッシブディスポ回路(以下B),熱線付き加温加湿器リーク回路としてIS社製ISディスポ回路パッシブHW(以下C)とエンベット HW呼吸回路チャンバ付き(以下D)を使用した.Vt:500mL,PEEP:5hPa,RR:10回を設定とし,IMT Analytics社製フローアナライザCITREX H5とPC解析ソフトFlowLabを用いて,200呼吸サイクルをサンプルサイズとして測定した.統計解析はR version 4.3.2を用いて分析した.
【結果】
Aの換気量は555.3±1.5ml(Mean±SD) であった.Bの換気量は493.6±2.6mlであった. 2つの人工鼻回路の換気量の差についてt検定をおこなったところ,有意な差が認められた(P<0.01).Cの換気量は550.5±1.3mlであった. Dの換気量は498.0±2.6mlであった.2つのHW回路の換気量の差についてt検定をおこなったところ,有意な差が認められた(P<0.01).IS社製回路の換気量は設定値から+10%以上の誤差が生じた.
【考察】
各回路群で有意差が認められ,IS社製回路で誤差が生じたのは回路測定外の要因が考えられる.A,CとB,Dの相違点として呼気ポートがあり,換気量誤差に影響している可能性が示唆される.
【結論】
回路測定後の回路の違いによる一回換気量の差異が明らかとなった.より正確な換気量が必要な症例に関しては呼吸器回路の選択も重要である.