第99回日本医療機器学会大会

講演情報

一般演題

洗浄

洗浄1

2024年6月21日(金) 13:10 〜 14:10 第3会場 (アネックスホール F205+F206)

座長:河野 太郎(古賀総合病院)

14:00 〜 14:10

[28] WD(ウォッシャーディスインフェクター)のバリデーション実施検証2

森 正史, 村松 裕樹, 村田 拡樹 (鈴与㈱ SUD 再製造事業準備室)

【はじめに】
昨今,洗浄の意識が高まってきている中で, RMDの適切な処理を目的としてWD(ウォッシャーディスインフェクター:以下WD)を用いて「医療現場における滅菌保証のガイドライン2021(以下ガイドライン)」に準じたバリデーションを実施し検証したので報告する.
【事実】
IOQバリデーション結果に基づき合格判定後に,一般鋼製小物を製品ファミリーとしてPQを実施する.メーカで設定されている既洗浄プログラムで実施し,その妥当性を確認する.
【方法】
WDを使用し,ガイドライン記載の「CSSDにおけるバリデーションの流れ」に沿ってOQ(運転時適格性試験)の項目(温度ロガーによる測定,導電率,洗浄インジケータ,羊血デバイス)で一般鋼製小物を通常積載した形で3回運転する計画でPQを実施した.尚,洗浄インジケータとロガー測定は最終工程まで実施し,羊血デバイス試験は熱水工程を除外した.
【結果】
結果として,定量測定はBCA法,OPA変法, Hb試験と目視確認で総合判定した.温度分布試験は熱水工程を含めて範囲は14.9 ~ 98.8℃で,導電率,残留蛋白質も妥当な値であった.
【考察と結論】
考察として,残留タンパク質量は積載段によりバラツキが見られるが,200μg以内におさまっていた.PQ試験は実際の器材を積載して実施するので,予め積載する器材の準備が必要である.医療施設で実施する場合は,実際の使用済み器材を用いて実施するのが妥当であるが,実施時間等を考慮しなければならない.今回は鋼製小物ファミリーのマスターを止血鉗子として実施したが,他の製品ファミリー(マイクロ器材,MIS器材等)も専用ラック等で実施するのも計画立てて遂行しなければ,所謂バリデートされたとは言い難いことになると考える.現状として,まだまだ課題が山積している.