第99回日本医療機器学会大会

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Oral presentation

手術室

手術室

Fri. Jun 21, 2024 9:00 AM - 10:10 AM 第4会場 (アネックスホール F204)

座長:野田 剛広(大阪大学)

9:10 AM - 9:20 AM

[41] 手術支援ロボットの術中再起動における注意点と課題

上野 康寿1, 小西 雄貴1, 寺本 哲哉1, 杉山 晴彦1, 松上 紘生1, 舩木 一美2 (1.鳥取大学医学部附属病院 ME センター, 2.鳥取大学医学部附属病院 手術部)

【はじめに】
当院は,2022年4月にhinotoriを導入し2023年12月現在までに76症例の手術を実施した. hinotoriはシステムが安定しており全国的に術中再起動事例は極めて少ない.しかし,可能性はゼロではない.システムの再起動時には既存の機種と同様にセルフチェックをスキップして実施できる仕様であるが,インストゥルメントを装着しているかどうかなど条件によって,どのように再起動できるのか明確に検証していない.今回,hinotoriにおける再起動について,いくつかの条件で検証したので報告する.
【方法】
各段階で「セルフチェックのスキップ」「ドレープの嵌め合い」「オペレーションユニットの可動性」を検証した.段階として「ドレープのみ「」アームにカメラのみ嵌まっている「」アームに鉗子のみ嵌まっている」「全てのアームが嵌まっている」とした.
【結果】
アームにカメラもしくは鉗子が嵌まっている状態であれば,セルフチェックをスキップできた.ドレープのみでは,必ず待機姿勢に移行しセルフチェックを実施する必要があった.その時,オペレーションユニットを移動させることはできなかった.全ての段階でドレープの嵌め合いを認識していた.
【考察と結果】
通常であれば,現状のまま術中再起動すれば問題なく手術が再開できるが,ドレープのみの状態であれば必ず待機姿勢に移行するので,ロールインした状態では実施が難しい.一度ロールアウトする必要があるが,その場合移動することが困難である.発生率の低さから術中経験する機会がなく,シミュレーションでしっかりと手順を確認しておく必要性がある.また,既存の機種と同様にドレープが装着されていればセルフチェックをスキップできる仕様にバージョンアップされると,機種ごとに手順を変える必要がなくなると考える.