11:00 AM - 11:10 AM
[51] 心拍変動周波数解析におけるリサンプリング周波数の検証(第2報)
【背景】
心拍変動(HRV)の周波数解析にて自律神経の活動量を測定することができ,この手法を用いてストレスレベルを非侵襲的に測定することのできる機器の開発を目指している.HRV周波数解析過程においてリサンプリング周波数を設定しなければならないが,その設定値によって解析結果に有意差が認められる.いずれの設定値での解析結果が本来の生体の自律神経活動を反映しているかを明らかとするため,HRV周波数解析結果と唾液アミラーゼ(s-AMY)およびR-R間隔の変動係数(CVR-R)との相関について検証した.
【方法】
20代の男性28名で,暗算負荷試験を実施した.s-AMYを計測できた84点において,直前 5分間の心拍記録をPythonを用いて構築した HRV周波数解析システムを用いて高速フーリエ変換にて周波数解析をおこない,低周波数成分のpower値(LF),高周波数成分のpower値(HF),LF/HF比を算出した.この際のリサンプリング周波数は,1Hz,2Hz,3Hz,4Hz, 5Hz, 6Hz, 7Hz, 8Hz, 9Hz,10Hz,20Hz,30Hz,40Hz,50Hz,60Hz,
70Hz,80Hz,90Hz,100Hzの19点とした.また, s-AMYを計測した84点において,直前の連続 100心拍のCVR-Rも算出した.そして,HRV周波数解析結果とs-AMYおよびCVR-Rの相関について統計的検定をおこなった.
【結果】
HRV周波数解析結果とs-AMYのSpearmanの相関係数は,HFの3~ 10 Hzで有意差(p<0.05)が認められ,相関係数は - 0.215 ~ - 0.224であった.また,HRV周波数解析結果とCVR-RのSpearmanの相関係数は,LFおよびHFは1~ 100 Hzの全てで有意差(p<0.05)が認められ, LFの相関係数は0.680 ~ 0.698,HFの相関係数は0.580 ~ 0.602であった.
【結論】
有意差が認められた共通のリサンプリング周波数は,3~ 10 Hzであった.このことから, HRV周波数解析において本来の生体の自律神経活動を反映させるリサンプリング周波数は, 3~ 10 Hzであることが明らかとなった.
心拍変動(HRV)の周波数解析にて自律神経の活動量を測定することができ,この手法を用いてストレスレベルを非侵襲的に測定することのできる機器の開発を目指している.HRV周波数解析過程においてリサンプリング周波数を設定しなければならないが,その設定値によって解析結果に有意差が認められる.いずれの設定値での解析結果が本来の生体の自律神経活動を反映しているかを明らかとするため,HRV周波数解析結果と唾液アミラーゼ(s-AMY)およびR-R間隔の変動係数(CVR-R)との相関について検証した.
【方法】
20代の男性28名で,暗算負荷試験を実施した.s-AMYを計測できた84点において,直前 5分間の心拍記録をPythonを用いて構築した HRV周波数解析システムを用いて高速フーリエ変換にて周波数解析をおこない,低周波数成分のpower値(LF),高周波数成分のpower値(HF),LF/HF比を算出した.この際のリサンプリング周波数は,1Hz,2Hz,3Hz,4Hz, 5Hz, 6Hz, 7Hz, 8Hz, 9Hz,10Hz,20Hz,30Hz,40Hz,50Hz,60Hz,
70Hz,80Hz,90Hz,100Hzの19点とした.また, s-AMYを計測した84点において,直前の連続 100心拍のCVR-Rも算出した.そして,HRV周波数解析結果とs-AMYおよびCVR-Rの相関について統計的検定をおこなった.
【結果】
HRV周波数解析結果とs-AMYのSpearmanの相関係数は,HFの3~ 10 Hzで有意差(p<0.05)が認められ,相関係数は - 0.215 ~ - 0.224であった.また,HRV周波数解析結果とCVR-RのSpearmanの相関係数は,LFおよびHFは1~ 100 Hzの全てで有意差(p<0.05)が認められ, LFの相関係数は0.680 ~ 0.698,HFの相関係数は0.580 ~ 0.602であった.
【結論】
有意差が認められた共通のリサンプリング周波数は,3~ 10 Hzであった.このことから, HRV周波数解析において本来の生体の自律神経活動を反映させるリサンプリング周波数は, 3~ 10 Hzであることが明らかとなった.